首都高速道路 通行止めすべて解除 時間は最長で約53時間

大雪の影響で5日から通行止めが続いていた首都高速道路は7日夕方、すべて解除されました。
通行止めの時間は最大で50時間余りにわたり、首都高速道路は「広い範囲で対応が必要で、雪を取り除くのに時間がかかり、ご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします」としています。

今回の大雪で、高速道路各社は本格的に雪が積もる前の5日昼前から関東や東海の広い範囲で通行止めにする「予防的通行止め」を行いました。
東京の都心では最大8センチの積雪を観測するなど、関東甲信の広い範囲で大雪となり、東名高速道路や中央自動車道などのほか、首都高速道路でも中央環状線や3号渋谷線など26路線のうち最大21路線が通行止めとなりました。
通行止めは長時間にわたり、NEXCO東日本は7日午前5時45分、NEXCO中日本は7日午前7時にすべての通行止めを解除した一方、7日朝までにすべての解除を予定していた首都高速道路では7日の日中も作業が続きました。
首都高速道路では段階的に通行止めが解除され、7日午後4時半にすべての通行止めが解消されました。
通行止めの時間は最も長い区間でおよそ53時間にわたり、首都高速道路では「広い範囲で対応が必要で、雪を取り除くのに時間がかかり、ご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。今回の作業を振り返りより安心して利用してもらえるよう対応していきます」と話しています。

今回の大雪に伴う通行止めについて、首都高速道路は7日朝までにすべての路線の解除を予定していましたが、最終的に解消したのは午後4時半でした。
首都高速道路は除雪に時間がかかった理由について、構造的な特徴を挙げています。
都市部の限られたスペースに作られた首都高速道路は高架橋が多く地表の熱が伝わりにくいため雪が溶けづらいほか、路肩が狭いため除雪した雪を寄せるスペースがなく、すべて道路から運び出す必要があるということです。
さらに、今回は広い範囲で積雪となったため多くの路線で対応が必要となり、除雪車などでは対応が間に合わず人力での除雪も行いました。
しかし、雪が湿って重かったこともあり作業に想定以上に時間がかかったとしています。

埼玉県内では、首都高速道路の5号池袋線や埼玉大宮線、さいたま新都心線の上下線で通行止めが続いた影響で、う回して東京方面に向かう車などで」一般道が混み合い、7日昼すぎの時点で渋滞が発生しているところがありました。
このうち、正午ごろ、さいたま市緑区の一般道は渋滞ができていたほか、通行できる外環道につながる東北自動車道も混雑していました。

5日からの雪で首都高速道路の一部の区間で通行止めが続いたことを受けて、埼玉県越谷市の運送会社では、大阪や名古屋方面の荷物の到着が最大で5時間ほど遅れるなど影響が出ました。
首都高速道路では、除雪作業に時間がかかり、一部の区間では7日午後4時半まで通行止めが続きました。
この影響で、埼玉県越谷市の運送会社では、大阪や名古屋方面の長距離の荷物の運送について、別の高速道路や一般道を通るう回ルートを使わざるを得ず到着が最大で最大で5時間ほど遅れたということです。
また、都内や千葉など首都圏近郊に向かう運送にも時間がかかっていて、7日昼すぎに出発するドライバーたちは混雑を避けようと念入りにう回路を確認していました。
東京・足立区に列車用の貨物を届ける予定の50代の男性ドライバーは「いつもは40分ほどで着きますが、首都高速道路が通れないためきのうは1時間半もかかりました。最短のルートを調べたので、安全運転でなるべく早く届けられるようにしたい」と話していました。
また、千葉県松戸市で荷物を積んだ後、大阪まで運ぶ予定の20代の男性ドライバーは「きょうはきのうより通行止めによる影響は小さいとは思いますが、状況の変化に対応しながらルートを考えたいと思います」と話していました。

雪の影響で首都高速道路の一部で通行止めが続いていることについて防災・危機管理アドバイザーの古本尚樹さんは路肩が狭く雪を置くことができるスペースがないため取り除く作業に時間がかかっていることやビルに囲まれて日陰が多く雪に水分も多いためとけにくくなっていることが原因として考えられると指摘しています。
また、通行止めが長引いたことで一般道では渋滞が発生しとして古本さんは「今回は大規模な通行止めを予防的に行ったことは評価できるが、予想を上回るような雪で除雪の対応に時間がかかっているのではないか」と話しています。