東京都 麻布十番にシェルター整備へ ミサイル飛来などに備え

東京都はミサイルの飛来などによって甚大な被害が発生するような万が一の事態に備えて、都心の1等地、港区麻布十番の地下にシェルターを整備する方針を固めました。

シェルターが整備される予定となっているのは、港区の都営地下鉄大江戸線の「麻布十番駅」に併設された防災備蓄倉庫です。
国は万が一のミサイルの飛来などの事態に備えて、都道府県に対しすぐに避難しやすく救援活動が可能な避難施設の指定を求めています。
都内では去年10月時点でコンクリートの建物や地下鉄の駅などが「緊急一時避難施設」として4258か所が指定されていますが、甚大な被害が発生するような事態に備え、都は、現在の避難施設よりも被害を軽減することが可能なシェルターの整備について検討を進めてきました。
都の関係者によりますと、検討の結果、地下深くにシェルターとして改修するためのスペースを備えているとして「麻布十番駅」防災備蓄倉庫に整備する方針を固めたということです。
都は新年度予算案にシェルターの調査費を盛り込むことにしています。

港区・麻布十番の地下にシェルターが整備されることについて、地域の人たちに話を聞きました。
麻布十番で写真館を営む50代の男性は「シェルターができることは安心につながるのでプラスに受け止めている。住民には高齢者や外国人も多いので、その方たちが避難しやすいよう設備を工夫したり、表示を多言語化したりして地域の特徴に配慮して運用してほしい」と話していました。
一方、麻布十番駅の近くに勤務先がある30代の男性は「唐突な話というか『なぜこの場所に』とは感じた。ミサイルのニュースを何か遠くの話のように思っていたが、身近なこととして捉えるいい機会になる。多くの人が使えるようにしてほしい」と話していました。
また、麻布十番に住む娘を訪ねてきたという70代の女性は「今は何かあったときに逃げる場所がないので、娘や孫の住む近くにシェルターができることは安心材料にはなるが、私たちも入ることができるのか気になります」と話していました。