中尊寺 金色堂建立900年特別展 23日から東京国立博物館

世界遺産に登録されている岩手県平泉町にある中尊寺の金色堂が建てられてからことしで900年になるのにあわせて、堂内に安置されている国宝の仏像11体などを一堂に展示する特別展が、東京国立博物館で23日から始まります。
22日は内覧会が開かれました。

中尊寺の金色堂は、1124年に奥州藤原氏の初代、藤原清衡が戦乱のない世を願って建てた現存するものとしては東北で最も古い建造物です。
建立900年を記念した特別展では、中央の壇上に安置されている11体の国宝の仏像すべてが特別に寺の外で公開され、金色堂と同じ配置で展示されています。
なかでも高さ62センチ余りの阿弥陀如来坐像を中心とした阿弥陀三尊像は、ふっくらとしたほおの穏やかな面相が特徴で、金色堂の創建時に作られたとみられることから当時の平泉の文化水準の高さがうかがえます。
また、堂内で飾るための用具で花輪をかたどる華鬘など、きらびやかな工芸品も集められ、展示作品50点のうち国宝は41点に上ります。
このほか、会場内に設置された幅およそ7メートルの大型ディスプレーでは、超高精細の8Kの技術を使ったCGで原寸大の金色堂が再現されています。
東京国立博物館の児島大輔主任研究員は「国宝の仏像はふだんガラス越しのため遠くて識別しづらいのでいろいろな気づきがあると思います。特別展でじっくりご覧いただき平泉にも足を運んでほしい」と話していました。
特別展は、東京国立博物館でことし4月14日まで開かれています。