PCR検査の投資詐欺 数億円の送金記録見せて取り引き偽装か

新型コロナウイルスのPCR検査事業への投資の名目でおよそ6000万円をだまし取ったとして、医療関連会社の社長らが逮捕された事件で、検査キットの仕入れ代として数億円の送金記録を出資者に見せていたことが捜査関係者への取材でわかりました。
警視庁は集めた金が事業に使われているように信じ込ませるため、取り引きを偽装したとみて調べています。

東京・中央区の医療関連会社「ICheck」の社長、金子賢一容疑者(44)と東京・港区の投資コンサルタント会社社長、入江正和容疑者(50)ら6人は、新型コロナのPCR検査事業への投資の名目で都内の男性などからおよそ6000万円をだまし取ったなどとして、詐欺などの疑いがもたれています。
これまでの調べで、容疑者らは「国の補助金を使って、無料のPCR検査場の運営などで利益を上げる」などと投資を勧誘し、全国のおよそ130人から32億円余りを集めていたとみられています。
さらに、集めたとされる数億円をPCR検査キットの仕入れ代として別の会社に送金した記録を出資者に見せていたことが、捜査関係者への取材でわかりました。
しかし数日後には、送金先の会社から元の口座に戻されていて、検査キットの仕入れは実際には行われていなかったということです。
警視庁は集めた金が事業に使われているように信じ込ませるため取り引きを偽装したとみて調べています。