貴重な文化財を守って! ウクライナの専門家が支援訴え

ロシアによる軍事侵攻からウクライナの貴重な文化財を守ろうと、都内で15日、支援のあり方を考えるシンポジウムが開かれ、ウクライナの専門家が支援を訴えました。

シンポジウムはロシアによる攻撃でウクライナの文化財や文化的施設に被害が相次いでいることを受けて文化庁などが開きました。
この中で、来日したウクライナの国立考古学研究所のインナ・ポティエヒナさんが支援を訴えました。
研究所では収蔵庫で保管する土器や人骨などの出土品およそ100万点を近隣国に避難させることも検討していますが、資材や人手の不足などもあり、大量の文化財を紛失や損傷から守りながらいかに輸送するか課題になっています。
このためポティエヒナさんは収蔵品の輸送や梱包など技術的な支援を求めていました。
シンポジウムを共催した奈良文化財研究所の庄田慎矢国際遺跡研究室長は、「日本は管理や輸送などで独自のノウハウを持っているので現地と連携しながら支援してきたい」と話していました。
ウクライナ国立科学アカデミー考古学研究所のインナ・ポティエヒナさんは、「私たちだけの力ではどうすることもできないのが現状です。日本の仲間が耳を傾けてくれ、本当に感謝しています」と話していました。