能登半島地震 ふるさと納税「代理寄付」の取り組み広がる

能登半島地震で被害を受けた地域を支援しようと、首都圏などの被災していない自治体が被災した自治体の代わりにふるさと納税を通じた寄付を受け付ける「代理寄付」の取り組みが広がっています。

ふるさと納税の仲介サイトは今回の地震で被災した自治体を支援しようと、特設サイトを設けてふるさと納税を通じた寄付を呼びかけています。
主な4つのサイトのうち「ふるさとチョイス」と「ふるなび」は、被災した自治体に代わって別の自治体が寄付を受け付ける「代理寄付」と呼ばれる仕組みを導入しています。
「代理寄付」は通常、寄付金を受け取る自治体が行う必要がある証明書の発行などの事務作業を被災していない自治体が代わりに行うことで、被災した自治体が災害対応に集中できるよう支援する仕組みです。
サイトの運営会社によりますと、能登半島地震のあと「代理寄付」の取り組みは広がっていて、12日午前8時半時点で茨城県境町や東京・稲城市など全国63の自治体が実施しています。
2つのサイトでは「代理寄付」で11日までにあわせて8億8000万円余りが集まっていて、「ふるさとチョイス」の運営会社は「被災自治体への寄付の際にはぜひ『代理寄付』の利用を検討してください」と呼びかけています。

能登半島地震が発生した翌日から「代理寄付」を受け付けている茨城県境町には、全国から3億円を超える寄付が寄せられています。
境町は今月2日から石川県輪島市と珠洲市、3日から石川県へのふるさと納税の寄付を代理で受け付けています。
境町が「代理寄付」に取り組むきっかけになったのは、町の広い範囲が浸水した9年前の2015年に起きた関東・東北豪雨です。
ふるさと納税を通じて全国から多くの寄付が寄せられ助けられた一方で、受け付け業務の負担が課題となりました。
こうした経験を生かそうと、2016年の熊本地震の際にふるさと納税の仲介サイトと連携し、全国で初めて「代理寄付」の仕組みを作り、1億円以上の寄付を熊本県に届けました。
今回の能登半島地震ではいち早く「代理寄付」の受け付けを始め、11日時点で1万7000件余り、3億円を超える寄付が全国から寄せられているということです。
境町のふるさと納税推進室の織原智史室長は「被災した自治体の職員はまずは住民の支援にまわらなければならないという状況があるので、事務を代行することで支援できればと思っています。ぜひ『代理寄付』という仕組みを、ご理解のうえ、ご検討いただきたいです」と話しています。

ふるさと納税の「代理寄付」の仕組みを利用した人からは、被災した自治体の業務の負担にならないと知り、寄付をしやすかったという声が聞かれました。
静岡県内に住む田中里枝さんは、能登半島地震で大きな被害が出ていることに心を痛め、被災地から離れた自分に出来ることはないかと考えてきました。
以前から利用しているふるさと納税を通じて被災地への寄付を考えましたが、自治体の事務作業が増えて負担になるのではないかと悩んでいたところ、インターネットで茨城県境町が「代理寄付」を受け付けていることを知りました。
自治体の業務負担を増やさず返礼品もないため被災地の役に立てると考え、石川県珠洲市に2万円を寄付しました。
田中さんは「今の状況だと被災地に寄付をしても対応しきれないのではないかと悩んでいたところ『代理寄付』を知りました。私自身、子育てで多くの人に助けてもらってきたので何か恩返し出来ないかと思いました。一人一人が出来る範囲の少しずつの力が集まってみんなで助け合うことが大事だと思います」と話しています。

「ふるさとチョイス」と「ふるなび」の運営会社によりますと、能登半島地震で被災した自治体への「代理寄付」を受け付けている関東地方の自治体は、12日午前8時半時点で12にのぼります。
東京・稲城市、神奈川県鎌倉市、埼玉県草加市、千葉県流山市、それに茨城県の古河市、結城市、常総市、桜川市、行方市、つくばみらい市、大洗町、境町です。