「溶連菌感染症」の一種 5週連続で過去10年間の最多更新

子どもを中心に流行が続く「溶連菌感染症」の一種の今月17日までの1週間の患者数は5週連続で過去10年間での最多を更新しました。
今後、年末年始で人の移動が増える時期となり、感染が広がる懸念が高まるとして専門家は対策を呼びかけています。

「溶連菌感染症」の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は主に子どもが感染し発熱やのどの痛みなどの症状のほか体に赤い発疹が出ることもあります。
国立感染症研究所によりますと、今月17日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された患者数は、前の週より622人増え1万5818人となりました。
1医療機関あたりでは5.04人と前の週を0.21人上回り過去10年での最多を5週連続で更新しました。
都道府県別では、鳥取県が9.32人、富山県が8.66人、千葉県が8.3人、福岡県が8.19人、山形県が8.11人、埼玉県が8.04人と6つの県で国の警報レベルの目安となる「8」人を超えています。
また東京都が6.05人、大阪府が5.51人、愛知県が3.5人となっています。
また、子どもを中心に高熱や結膜炎などの症状が出る咽頭結膜熱は、今月17日までの1週間で報告された患者数が前の週より19人増えて1万966人、1医療機関あたりでは3.49人と、依然として患者数が多い状況が続いています。
都道府県別では、福井県が7.88人、北海道が7.51人、佐賀県が6.26人となっているほか、東京都が3.36人となっていて、26の都道府県で国の警報レベルの目安となる「3」人を超えています。
このほか愛知県が2.6人、大阪府が2.44人となっています。
子どもの感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州院長は「冬休みに入り、子どもたちの間での流行はいったん落ち着くと思うが、年末年始に人の移動が増えることで全国に広がる可能性もある。医療機関が休業する時期だが、嘔吐が止まらなかったり、ぐったりしていたりなど、全身の状態が悪いときは自治体の電話相談や、休日診療をしている医療機関、それに救急の窓口などを利用してほしい。また、人にうつさないためにも体調が悪いときは予定を中止するといった判断をしてほしい」と話しています。