東京ディズニーランド過重労働訴訟 訴え退ける 千葉地裁

東京ディズニーランドで着ぐるみを着てショーに出演していた元契約社員の女性が、肩や腕などに痛みやしびれが出たなどとして運営会社に賠償を求めた裁判で、千葉地方裁判所は「会社は女性の症状の悪化を予見できず、注意義務違反があったとは言えない」として女性の訴えを退けました。

東京ディズニーランドで総重量が10キロから30キロほどある着ぐるみを着てショーに出演していた30代の元契約社員の女性は、2017年に腕や肩などに痛みやしびれが出たのは運営する「オリエンタルランド」が業務負担を軽くする安全配慮義務に違反したためだなどと主張としておよそ385万円の賠償を求めました。
26日の判決で千葉地方裁判所の岡山忠広裁判長は業務の負担によって症状が出たことは認める一方、「会社が出演者に対し指示していた体調変化の申告内容からは業務の軽減が必要なほどの症状を女性が訴えていると認識することは困難だった」と指摘しました。
そのうえで「症状の悪化を予見することはできず、会社に注意義務違反があったとはいえない」などとして女性の訴えを退けました。

原告の女性は「訴えが認められず、本当に悔しいです。働いているのは生身の人間で、ショーの業務で出た痛みやしびれなどをなかったことにはできないという思いで過ごしてきました。今後どうしていくかはこれから検討しますが、今はただ残念な気持ちでいっぱいです」と述べました。

運営会社の「オリエンタルランド」は「今回の判決は当社の主張が認められたものと理解しています。すべての皆さまに心配をおかけしていることをお詫び申し上げます」とコメントしています。