JR京葉線 朝と夕以降の快速など運行取りやめへ 不満の声も

来年3月に行われるJR東日本のダイヤ改正で、京葉線の快速と通勤快速の運行が、朝と夕方以降の時間帯で取りやめられることになり、沿線の自治体などから不満の声が出ています。
JR東日本は、快速の混雑の緩和などが目的だとして、丁寧に説明を行うとしています。

JR東日本は来年3月16日に行うダイヤ改正で、千葉市内の蘇我駅と東京駅を結ぶ京葉線の快速と通勤快速について、朝9時台までと夕方4時台以降の時間帯で運行を取りやめ、すべて各駅停車とすることを発表しました。
これについて千葉県の熊谷知事は今月21日の記者会見で、「沿線の住民生活や事業活動などに大きなマイナスがあり、県としては容認できない。今後JRに対して強い形で申し入れを行いたい」と不満を述べました。
また、千葉市の神谷市長も同じ日の記者会見で、「極端な対応でとても容認できない。市民生活を支えてきた広域交通の構造が変わってしまうのではと大いに懸念している」と述べ、JR側に説明を求めるとともに、申し入れなどを検討していく考えを示しました。
こうした反応に対し、JR東日本千葉支社の土澤壇支社長は、翌日の記者会見で変更の目的を説明しました。
このなかでは、混雑している快速と、乗車率が7割ほどにとどまっている通勤快速の利用者を平準化させることや、快速が停車しない駅の利便性を高めること、それに、各駅停車が通過待ちをする必要がなくなることなどを挙げています。
土澤支社長は「京葉線を便利に使いやすくするためだが、厳しい意見があることは承知している。県や市への事前の説明が足りなかったと思うので、狙いや背景を丁寧に説明し、ご理解をいただきたい」と述べました。

JR東日本によりますと、京葉線の朝と夕方以降に快速や通勤快速が各駅停車での運行に変更されることで、東京駅と蘇我駅の間の所要時間は最大で19分ほど長くなるということです。
京葉線では現在、平日の朝9時台までと夕方4時台以降に18駅のうち11駅に停車する快速が上下線あわせて35本、途中で八丁堀駅と新木場駅にしか停車しない通勤快速があわせて4本運行されています。
東京駅と蘇我駅の間の平均所要時間は、通勤快速では現在、朝の上り線で42分、夕方以降の下り線で37分ですが来年のダイヤ改正で各駅停車に変更されると、いずれも56分まで長くなります。
また、快速の所要時間は現在、朝夕、上下線とも45分前後ですが、いずれも50分余りまで長くなります。
JR東日本千葉支社は「朝夕の通勤時間帯の利用者数はコロナ禍以前と比べて現在でも3割ほど少ない状況になっているので、沿線の住民が利用しやすい輸送体系に改める」としています。

JR京葉線の上りの始発駅である千葉市の蘇我駅では、ダイヤ改正に伴う朝と夕方以降の時間帯での快速と通勤快速の取りやめについて、不安の声が聞かれました。
20代の男性は「新浦安に通勤していて快速で職場まで行けるので蘇我でひとり暮らしを始めました。距離も長いので、通勤時間に影響が出てしまうのではと思っています。決まったのであればしかたがないので、早起きしようと思います」と話していました。
また、40代の女性は「夫と娘が通勤や通学に使うので時間がかかるのは困ります。都内まで出やすいことから引っ越してきたので、ニュースが出たときは家族で驚きましたし、会社でも話題になっています」と話していました。

京葉線と武蔵野線をあわせると一日平均5万人余りが利用する海浜幕張駅では、不満の声が相次ぎました。
東京から海浜幕張に通勤している50代の男性は「毎日利用している身として困ります。なぜ、そこまでするのかがわかりません。隣に幕張豊砂駅ができ各駅停車の所要時間が増えたばかりなのにさらに快速がなくなると通勤にかかる時間がさらにかかってしまうことになります」と話していました。
また、海浜幕張から舞浜に通勤している30代の女性は「不便になってしまうと思いびっくりしました。時間もかかるし、混むことも予想されると思います」と話していました。
海浜幕張から東京に通勤している50代の女性は「近所で大騒ぎとなり、みんなで声を上げようと考えています。25年前から住んでいますが、東京までの駅が増え時間がかかるようになったと感じています。海浜幕張駅周辺に住んでいる人が多いので快速はやめないでほしい」と話していました。