公立高校入試 生理の体調不良も追試験対象に 関東1都6県は

公立高校入試 生理の体調不良も追試験対象に 関東1都6県は

文部科学省は、公立高校入試の追試験の対象に生理による体調不良も含まれると全国に通知しました。
新型コロナなどとあわせ、受験機会の確保に柔軟に対応するよう求めています。

文部科学省は、公立高校の入試について、やむをえず通常の試験日程で受験できなかった生徒が受験機会を失わないよう、追試験や調査書などの書類選考を実施することを全国の教育委員会などに求めています。
19日に全国に送った通知では、本人に責任がない体や健康上の理由の例として、生理前や生理中の身体的、精神的症状などの体調不良についても、初めて追試験などの対象とするよう盛り込みました。
文部科学省によりますと、生理による腹痛や腰痛などの症状をすでに対象としている教育委員会もある一方、申し出があった場合のみ個別に検討している教育委員会もあり、対応にばらつきがあるということです。
文部科学省は、全国の教育委員会などに対し新型コロナやインフルエンザなどとあわせて、受験機会の確保のため柔軟に対応するよう求めています。

生理日の管理など、女性のための健康情報サービス、「ルナルナ」の運営会社が2年前に行った調査によりますと、「受験日と生理日が重なることで不安があった」と回答したのは全体の85%余りにのぼっています。
具体的には「生理痛や体調不良への不安」が88.8%と最も多く、次いで「トイレやその頻度への不安」が63.7%となっています。
自由回答では◇「生理痛のせいで試験に集中できず、すべてをあきらめる境地になる」◇「試験中に寝てしまったり倒れたりするのではないかと不安になる」◇「生理2日目くらいまでは睡魔がすごいので、最悪の場合一日中寝てしまい試験にすら行けないかもしれないという恐怖がある」◇「慣れない路線や駅、建物を利用するためトイレの場所がわからない。緊急時に助けを求めることができる相手がいない」といった声が寄せられました。

公立高校の入試に際し受験生が生理による体調不良だった場合、追試験の対象としたかどうか。
関東1都6県の教育委員会にことし実施した入試での対応を取材したところ、茨城が生理による体調不良を「追試の対象」とした一方、千葉と栃木は「対象外」としていたことがわかり。
自治体ごとの対応の違いが鮮明になっています。
関東1都6県のなかでことし実施した公立高校の入試で生理による体調不良を追試験の対象としたのは茨城県だけでした。
一方、対象外としたのは千葉県と栃木県でした。
いずれも「体調不良の場合は、可能なら別室での受験を認めてきた」としています。
このほか、東京都と神奈川県は「個別の事情を踏まえて判断する」とし、埼玉県は「やむをえない事情があると出身中学の校長が判断すれば、追試験の対象となる」としています。
また群馬県も、ことしまでは「申し出があれば状況を踏まえて判断」という対応でしたが、来年春の入試からは生理による体調不良も追試験の対象にすることを決めました。
文部科学省は19日、生理前や生理中の身体的、精神的症状などの体調不良についても追試験などの対象とするよう全国に通知し、千葉や栃木、東京などはこれを受けて対応を見直すことにしています。