東電柏崎刈羽原発 “運転禁止”命令 27日にも解除か

テロ対策上の問題が相次ぎ、事実上運転を禁止する命令が出されている柏崎刈羽原子力発電所について、原子力規制委員会は20日、東京電力の小早川智明社長らと面談し、継続的な改善に取り組む決意を聞きました。
規制委員会は、命令解除を判断する条件はそろったとしていて、今月27日にも解除される見通しになりました。

柏崎刈羽原発ではおととし、テロ対策上の重大な問題が相次いで見つかり、原子力規制委員会が事実上運転を禁止する命令を出していて、改善状況を調べる検査を行うとともに、東京電力に原発を運転する「適格性」があるかを改めて確認してきました。
今月11日には山中伸介委員長らが現地調査を行い、「かなりの改善が見られる」という評価を示しています。
20日は東京電力の小早川社長ら経営層と面談し、このなかで小早川社長は「発電所一体となって改善に取り組んでいる。地域から信頼できる事業者に生まれ変わりたい」などと、継続的な改善に取り組む決意を話しました。
これに対し委員からは、「今回、仮に命令を解除することになっても規制委員会が東京電力にお墨付きを与えるわけではない」といった指摘が出されましたが、命令解除を判断する条件はそろったとして、来週の会合で、最終的に判断する方針を決めました。
これにより、今月27日にも命令が解除される見通しになりました。

東京電力の小早川智明社長は、原子力規制委員会との面談後に報道陣の取材に応じ、「事案が起きてから3年間の取り組みを伝えるとともに、今後の改善に向けた決意を述べた。委員からは、これから実際に改善していく取り組みが重要だという話があったので、対策のパフォーマンスを上げていきたい」と述べました。
そのうえで、事故を起こした東京電力が原子力発電所を運転する適格性があるかどうかについては、「安全には終わりがないということが一番重要だ。新しいリスクが発見された場合はできるだけ速やかに直していく活動を続けながら、社会の皆様から安全な運営をしていると評価してもらえるよう頑張ることが適格性がある事業者に近づく道だと思っている」と述べました。
また、地元の理解については、「地元の方からは、適格性や核物質防護についてわかりにくいという声があるので、発電所の中がどう良くなっているかも含めて我々の改善の取り組みを透明性を持って伝えていくことが大事だと思っている」と話していました。

テロ対策上の問題が相次ぎ事実上、運転を禁止する命令が出されている柏崎刈羽原子力発電所について、20日東京電力の小早川智明社長との面談を終えた原子力規制委員会の山中伸介委員長は、「社長の回答は100%完璧なものではなかったかもしれないが、まずはスタートラインで、ここから改善するという決意はみられた」と述べました。
そのうえで、「テロ対策について、今後も正常な監視ができているか、日々の改善の活動が機能しているかどうか、それに一過性にしない実効性のある取り組みができているかの3点を日常的な検査の中で重点的に確認していきたい」と述べ、命令を解除したあとも、規制委員会として重点的な検査を続ける考えを示しました。