少女のわいせつ画像所持の罪 元校長 初公判で起訴内容認める

以前勤めていた中学校の女子生徒のわいせつな画像を校長室内で所持していたとして、児童ポルノ禁止法違反の罪に問われている元校長の初公判が開かれ、元校長は「間違いありません」と述べて起訴された内容を認めました。

東京・練馬区の区立中学校の校長だった北村比左嘉被告(56)は、ことし9月、勤務先の中学校の校長室で18歳未満の少女が写ったわいせつな動画や画像およそ50点が記録されたビデオカメラを所持していたとして、児童ポルノ禁止法違反の罪に問われています。
19日東京地方裁判所で開かれた初公判で、元校長は「間違いありません」と述べて起訴された内容を認めました。
検察は冒頭陳述で、「元校長は、以前に勤務していた中学校の女子生徒2人に校舎やホテルなどで繰り返しわいせつな行為をして、後で自分が楽しむために撮影していた。画像が入ったビデオカメラは、校長室の机の引き出しの中に入れて鍵をかけ、隠していた」と述べました。
また元校長が捜査段階で話した供述調書が読み上げられ、画像を校長室に隠したいきさつについて、「動画や画像をすべて削除するのはもったいないと思い、妻に見つからないように自宅の倉庫にあったビデオカメラを移した」などと説明していました。
検察は追起訴の可能性があることも明らかにしました。
次回は来月31日に開かれます。

事件発覚のきっかけとなったのは、東京都教育委員会の窓口に被害についての相談が寄せられたことでした。
都の教育委員会は、去年4月から教職員などからの性被害について、児童や生徒が電話やメールで第三者の弁護士に直接、相談できる窓口を設置しています。
都の教育委員会によりますと、去年11月、匿名の女性から電話があり、「中学生だったときに教師から性暴力を受けたかもしれない」と相談がありました。
女性は「名乗る勇気がない」と話し電話を切りましたが、翌年の1月に再びメールでの相談があったため、都の教育委員会がやりとりを続け詳細な被害の把握に至ったということです。
窓口を利用した理由について、女性は「過去の経験で消化できずにいるものに向き合う必要があり、相談先を検索して調べた」と話していたということです。
窓口が設置された去年4月からことし9月末までの間に相談が寄せられたのは電話では71件、メールでは67件となっています。
また、都の教育委員会は無料で窓口に郵送できる「相談シート」をつくり、年2回、全ての児童や生徒に配布し、被害の早期発見や未然防止に取り組んでいるということです。
都の教育委員会は「子どもたちが相談しやすい環境を整えるとともに、取り組みを進めることで抑止にもつなげたい」と話しています。

元校長の事件を受けて、練馬区では、教育委員会と学校現場で、再発防止にむけた対策を急いでいます。
区の教育委員会は、被害を防ぐために最も重要なのは、教員が子どもと2人きりになるような環境をつくらせないことだとして、各学校に取り組みの徹底を求めています。
19日は教育委員会の担当者が区内の中学校を訪れ、校長に学校で行っている対応を確認していました。
この学校では、校内の見取り図を使って密室になりやすい場所を確認し、窓を覆っていた目隠しの布を外して廊下から部屋の中が見えやすいようにしたり、放課後などに校内の見回りを強化したりしているということです。
また、都の教育委員会が性暴力の防止に向けて進めている必要がないのに生徒の体に触らない、個人的なやりとりをしない、2人きりにならないという、「3ない運動」を周知するため、校舎内にポスターを貼って、生徒に対し、おかしいと感じた時には相談窓口などに知らせるよう、呼びかけています。
大槻亨校長は「これまでは学校行事の際に私物のスマートフォンなどで児童の写真を撮ることもあったが、新たに共用のデジタルカメラを購入して、私物での撮影は全面的に禁止するなど、対策を強化しました。来週の終業式でも性暴力の相談窓口について改めて説明する予定です」と話していました。

性犯罪の被害者支援に取り組む川本瑞紀弁護士は去年4月に教員による児童や生徒へのわいせつ行為をなくすための法律が施行され、相談窓口が整備されたことで、これまで明らかになっていなかった性被害の実態が少しづつわかってきたとして、「被害者が勇気を持って明るみに出してくれた結果だ」と指摘しています。
そのうえで、今後、同じような事件を防ぐために、裁判では犯行に至った具体的な手口をできる限り明らかにする必要があるとしています。
川本弁護士は「性加害をするには被害者と2人きりになることが必要だが、どんな立場と関係性のときに起きたかなどを検証することで、今後、同じ状況が生じる事態を防ぐことができる」としています。
また、被害を防ぐためには、都の教育委員会が進める「3ない運動」を徹底することが重要だとしています。
川本弁護士は「今まで学校に根づいてきた文化を考えると、徹底するのはとても難しいが、児童や生徒と2人きりになりそうな状況を見かけたら、ドアを開けておくなど、声をかけあえるような環境をみんなで作ることができれば、被害は防ぐことができる」と話していました。