東京 渋谷区 区立小学校と高層マンション 一体で建て替えへ

大型の再開発が進む東京・渋谷区で、区立小学校と高層マンションの建て替えを一体化させて行う、全国でも珍しい再開発計画が進められています。

渋谷区では、近年、渋谷駅前の再開発や区役所と公会堂の建て替えなど各地で大型の事業が相次いで行われています。
こうしたなか、渋谷区役所の近くで、区立神南小学校と民間のマンションを一体のプロジェクトとして、再開発する計画が新たに持ち上がっています。
東急不動産などが事業協力者となり、現在14階建てのマンションを地上150メートル、34階建てのタワーマンションに建て替え、その収益を活用して、小学校の建て替えも同時に進めようとするものです。
区にとっては、費用の負担を大幅に減らして、老朽化した学校が建て替えられるメリットがあるということです。
ただ、マンションを高層化するには定められた容積率を緩和する必要があるため、区は今の都市計画を変更し、小学校上空の容積率をマンションに振り分けたり、公共の広場を設けて、割り増したりすることで、もとの2倍の容積率を実現したい考えです。
区によりますと、公共施設の容積率を民間のマンションに配分するケースは、全国的に珍しいということです。
この都市計画の変更について15日、渋谷区は有識者らが参加する審議会に諮問することにしています。
この計画をめぐっては、地元の住民を中心に、小学校のすぐ隣に高層マンションを建てることで安全性を不安視する声や民間の開発に公共の財産を供与しているのではないかといった疑問の声もあがっています。
渋谷区の奥野和宏まちづくり推進部長は「今回の手法は限られたエリアでしか使えないが、様々な公共施設の更新は、民間の活力も使い、できる限り財政負担を減らして実現したい」と話していました。