神奈川 逗子 斜面崩落死亡事故裁判 管理会社側に賠償命じる

3年前、神奈川県逗子市でマンションの敷地にある斜面が崩れ、下の歩道を歩いていた高校生が死亡した事故について、遺族がマンションの管理会社側に賠償を求めた裁判で、横浜地方裁判所は「崩落の危険性を認識できたのに事故の発生を防ぐ対応を怠った」と指摘してあわせておよそ107万円の賠償を命じました。

3年前、逗子市でマンションの敷地にある斜面が崩れ、斜面の下にある歩道を歩いていた18歳の女子高校生が土砂に巻き込まれて亡くなりました。
生徒の遺族は「事故の前日に斜面に亀裂が見つかっていたことを把握していたにもかかわらず適切な対応を怠った」として管理会社側に賠償を求める訴えを起こしていました。
15日の判決で、横浜地方裁判所の小西洋裁判長は「事故の前日に、マンションの管理人が斜面に複数の亀裂を見つけて管理会社の担当社員に相談していたことから会社側は崩落の危険性があることを認識できた」と指摘しました。
そのうえで「会社側は、市に連絡して崖の下の道路を通行禁止にするよう求めるなど事故の発生を回避できたのに、対応を怠った」として管理会社側の責任を認め、あわせておよそ107万円の賠償を命じました。
遺族は斜面を所有するマンションの住民なども訴えていましたが、1億円を支払うことで和解が成立しています。

判決のあと、亡くなった女子高校生の父親が横浜市内で弁護士とともに会見を開き、「管理会社が適切に管理するという当たり前のことをきちんと認めてくれた。娘は二度と帰ってこないが、私たち家族にとっても救いになった判決だと思う」と述べました。
一方、この事故で業務上過失致死の疑いで書類送検されたマンションの管理会社の社員を検察が13日不起訴にしたことは不当だとして、近く検察審査会に審査を申し立てる意向を明らかにしました。