富士山のふもと本栖湖 専門家が湖底遺跡を本格調査へ

富士山のふもと、本栖湖の底には古墳時代の土器などが見つかった遺跡があります。
富士山の噴火との関係など、遺跡の成り立ちを明らかにするため専門家による本格的な調査が行われることになりました。

本栖湖の東側、水深10メートル前後の湖底では平成10年度の調査で古墳時代の土器などが複数、見つかっています。
その成り立ちを解明するため帝京大学文化財研究所は、地元の山梨県富士河口湖町や身延町と共同調査を行うことになり、まずは湖底に向けて音波を発信する地形の計測や水中ドローンによる探査が行われていました。
湖の底に遺跡がある理由について水中考古学が専門の佐々木蘭貞准教授は、もともと陸上にあった遺跡が、富士山の噴火による溶岩流が湖に流れ込んで水位が上がったため水没した可能性のほか、陸上の別の場所にあった土器などが、何らかの理由で流されてきて湖底に沈んだ可能性も考えられるとしています。
調査グループは湖底の詳細な地形図を作製したあと、堆積している物質の分析なども行い、遺跡ができた過程を明らかにしたいとしています。
佐々木准教授は「富士山の噴火による影響や、それ以前にどういう人々が住んでいたのかなどを明らかにしたいです。水中は木材が腐りにくいなど遺構の保存状態がよいこともあり、期待を持って調べていこうと思います」と話していました。