南スーダンの職員 初の総選挙へ 群馬や都内で実務など学ぶ

2011年の独立後、来年初めての総選挙が予定されているアフリカの南スーダンの職員が日本を訪れ群馬県や都内などで選挙の実務などを学んでいます。

アフリカ東部にある南スーダンでは、2011年の独立後、石油の利権や政府の主導権をめぐって対立があり、2013年からは武力衝突が広がりました。
その後、和平合意による暫定政府が発足して民主化への取り組みが進められていますが、いまもおよそ460万人が国内外に避難するなど、国内の情勢が不安定な状態が続いています。
こうしたなか、来年12月に独立後初めてとなる総選挙が予定されていることから民主的な選挙を実現しようと、南スーダンの選挙管理委員会の職員など14人がJICA=国際協力機構の招きで先週来日しました。
7日は前橋市の高校で模擬選挙を視察し、高校生がクラスごとに市長選を想定して、地域の活性化策などを発表し、実際の選挙と同じ記載台や投票箱を使った投票で市長を決める様子を見学しました。
南スーダンは、国民に選挙の方法をどう伝えるかが課題になっていて職員らは高校生の発表した政策や投開票の仕組みを感心した様子で見ていました。
南スーダン選挙管理委員会のアイェテ・スーザン・ミシェル・アロリオさんは「私のこれまでの経験のなかで、もっとも内容が盛り沢山で非常に素晴らしいものでした」と話していました。
また、一行は8日、公正な選挙の実施に役立てようと投票用紙の読み取り分類機などの開発などを手がける都内の企業を訪れました。
職員らは、投票用紙にそれぞれが自身の名前を書いて投票箱に投票したあと、読み取り分類機で自動で票が仕分けられると、分類の早さに驚いた様子でした。
アイェテ・スーザン・ミシェル・アロリオさんは「日本で見たたくさんのことを南スーダンに持ち帰って国をよくしていきたい」と話していました。
南スーダンの職員らは、今月15日まで日本国内で研修を受ける予定です。