中国で「火傷病」発生し梨の花粉輸入停止 千葉県が確保支援

「火傷病」と呼ばれる梨の木などの病気が中国で発生し、国はことし8月から梨の花粉の輸入を停止しています。
全国一の梨の産地・千葉県では7割ほどの農家が中国産の花粉を活用しているため、県は生産への影響が出ないよう花粉の確保の支援に取り組んでいます。

「火傷病」は、梨やりんごの果樹の枝や葉が火にあぶられたように枯れてしまう病気で、感染力が強いためいったん発生すると、周辺の木の伐採などが必要になります。
中国では、内陸部の複数の地域でおととしから「火傷病」が発生していたことが明らかになり、国は中国から花粉や苗木の輸入を停止する措置を、ことし8月から取っています。
しかし、千葉県が行った緊急の調査では県内の梨農家のうち、およそ7割が中国産の花粉を購入していると回答し、毎年春に行っている人工授粉で花粉が不足して、生産に影響するおそれがあるということです。
このため県は緊急対策本部を立ち上げ、梨農家に対して花粉を自前で採取できるよう、効率的な採取方法の共有や必要な機器を購入するための支援策などを検討することにしています。
また、「火傷病」の侵入を防ぐため、中国産の花粉は在庫があっても使用せず、梨の木に疑わしい症状が出た場合は速やかに連絡することなどを呼びかけています。