日大 澤田副学長 林理事長から“パワハラ受けた” 提訴

日本大学アメリカンフットボール部での薬物事件の対応をめぐり、パワーハラスメントなどがあったと主張し、澤田康広副学長が林真理子理事長に対し1000万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは、日本大学の澤田康広副学長です。
訴状などによりますと、薬物事件の対応をめぐり、林真理子理事長からことし8月下旬から9月上旬にかけ、合理的な理由を告げられることなく、ほぼすべての主要な会議への出席を禁じられたほか、辞任するよう執拗に求められるなどの、パワーハラスメントを受けたと主張していて、27日林理事長に対し1000万円の損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
一連の問題をめぐっては、第三者委員会からガバナンスの機能不全に加え、澤田副学長が大麻と疑われる植物片を12日間警察に届けず保管した対応が、「信用を著しく失墜させた最大の原因だ」などと指摘されていました。
これを受け理事会が澤田副学長と酒井健夫学長に辞任を勧告するとともに、林理事長については6か月、50%減給とする方針を示していて、澤田副学長は、混乱を避けるためなどとして、27日にも大学側に辞任の意向を伝える方針だということです。
NHKが日本大学に対し、林理事長の見解を求めたところ「訴状が届いておりませんので、回答を差し控えさせていただきます」とコメントしています。

日本大学に通う学生からは早く大学の運営を安定させてほしいといった声が聞かれました。
このうち、2年生の男子学生は「去年執行部が変わったときは、これで問題が起こらなくなるかなと思いましたが、また内輪もめのような状況になっていて残念です。大学のイメージが悪くなるのは嫌なので、早く大学の運営を安定させてほしいです」と話していました。
また2年生の女子学生は「『悪質タックル問題』に続いて薬物問題を起こしたアメフト部の責任が大きいと思うので、学長などまで辞める必要があるのかは疑問に思います。上層部にも監督責任はあると思いますが、ほかにも責任を取るべき大人はたくさんいると思います」と話していました。