グミ販売した店に立ち入り 体調不良相次ぎ 厚労省麻薬取締部

大麻に近い成分の名前が表示されているグミを食べた人が相次いで体調不良を訴えている問題で、厚生労働省の麻薬取締部はこれらのグミに法律で規制された指定薬物と同じような毒性がある疑いがあるとして、東京や大阪の販売店の立ち入り検査を始めました。

立ち入り検査を受けたのはグミを製造した会社「WWE」が運営する大阪・中央区西心斎橋の販売店や、東京・豊島区東池袋にある販売店です。
東京や大阪では、ことしに入ってからこの会社が製造している同じグミを食べた人が病院に搬送されるなど体調不良を訴えるケースが相次いでいて、警視庁や大阪府警によりますと、これまでにあわせて20数人に上っています。
グミの袋には「HHCH」=ヘキサヒドロカンナビヘキソールという法律で規制されていない大麻に近い成分の名前が書かれていて、厚生労働省の麻薬取締部はこれらのグミに法律で規制された指定薬物と同じような毒性がある疑いがあるとして、医薬品医療機器法に基づく立ち入り検査を始めました。
麻薬取締部は幻覚などの健康被害を引き起こす成分がグミに含まれていないかを調べ販売停止の命令を出すかどうか検討することにしています。

大麻由来の成分名が表示されているグミを食べ、体調不良を訴えるケースが相次いでいることを受け、武見厚生労働大臣は、成分が特定されれば類似するものも含めて、指定薬物として流通させることや所持することを禁止する方向で検討する考えを示しました。
大阪の会社が製造した、法律で規制されていない大麻由来の「HHCH」という成分名が表示されているグミを食べ、体調不良を訴えるケースが相次いでいて、大阪市が製造元の会社の工場に立ち入り検査を行ったほか、警察が成分の鑑定などを進めています。
これについて武見厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で「重大な保健衛生上の問題だ。警察の捜査と並行して販売店舗への必要な調査を行い、薬物が特定されれば、速やかに指定薬物として所持・使用・流通を禁止することを検討している」と述べました。
また今回の成分を指定薬物に定めても類似の成分を含んだ商品が販売されるおそれがあるとして、そうしたものも包括的に規制する方向で検討する考えを示しました。