東京 板橋区 「グミ」食べた2人 体調不良訴え病院搬送

15日夜遅く、東京・板橋区でグミを食べた男女2人が体調不良を訴えて病院に搬送されました。
都内では大阪の会社が製造したグミを食べた人が体調不要を訴えるケースが相次いでいて、警視庁は大麻由来の成分が含まれている可能性があるとみて鑑定などを進めています。

15日午後11時半ごろ、東京・板橋区で「グミを食べたあと体調不良になり苦しい」などと消防に通報がありました。
捜査関係者によりますと、通報したのは20代の男女2人で、豊島区内の店舗で購入したグミを午後10時ごろに1粒ずつ食べたあと体調が悪化したということです。
グミの袋には「HHCH」と、法律で規制されていない大麻由来の成分名が書かれていました。
今月、都内では墨田区や小金井市で、大阪の会社が製造している同じグミを食べた10人が病院に搬送されるなど、体調不良を訴えるケースが相次いでいて、警視庁が鑑定などを進めています。

薬物の危険性や依存に詳しい湘南医療大学薬学部の舩田正彦教授は、グミの袋に書かれていたHHCH=ヘキサヒドロカンナビヘキソールと呼ばれる成分は、大麻から抽出されるTHC=テトラヒドロカンナビノールという成分と構造が似ていると指摘します。
舩田教授は、「HHCHは、THCと似た作用があると考えられ、特に食品で大量に摂取すると吐き気や意識障害を引き起こす危険がある。作用が出るまでに時間がかかるという特徴もあって、作用が出ないからといって追加で摂取してしまうおそれもあり、危険だ」と話しました。
HHCHは法律で規制されていませんが、舩田教授は「規制対象ではないことが安全性が保証されているという訳ではない。未確認だということで規制していないものも多数ある。どんな作用があるか明確でないものは摂取すべきではない。今回のグミも健康被害が出ている時点で食べるべきではないと思う」と述べました。
そして、今回のグミの成分を迅速に調べる必要があるとしたうえで、法律で規制されると未規制の成分に着目されるいたちごっこの状態が続いている現状を踏まえて、「規制されている成分と作用が類似している成分についても先手を打って包括的に禁止することも視野に入れる必要があるのではないか」と話していました。