食用油再利用バイオ燃料でイルミネーション点灯 東京 目黒川

使用済みの食用油を再利用したバイオディーゼル燃料の電力でともされる、恒例のイルミネーションが東京・品川区の目黒川沿いで10日から始まりました。

「目黒川みんなのイルミネーション」は地元の有志でつくる実行委員会が「エネルギーの地産地消」を目指そうと毎年この時期から開催しています。
ことしも会場の品川区を流れる、目黒川の両岸に立つ桜並木の2.2キロに、あわせて38万個のLED電球が飾り付けられました。
10日は会場に集まった地域の人などが午後5時の点灯に向けてカウントダウンをしてイルミネーションがともされました。
開催期間中、イルミネーションに使われる電力はすべて、地域の飲食店や家庭で使われた、食用油を加工したバイオディーゼル燃料で発電します。
家庭などからの油の回収は業者が週に1、2回行うことになっていて、10日は会場に使用済みの食用油を受け付けるスポットが初日限定で設けられました。
家で使った油を母親といっしょに持ってきた小学5年生の女の子は「学校でこの取り組みの話を聞いて参加してみたいと思いました。地球の環境を守ることに役に立てればうれしいです」と話していました。
開催期間は10日から年明けの来年1月8日までの60日間で、夜10時までの5時間点灯されます。
実行委員会によりますと、電力確保には一日あたりおよそ36リットル、期間中2200リットルの油が必要ですが、地域の協力で全量を調達できるメドはすでに立っているということです。
実行委員会の茂田真弓さんは「地域の皆さんに桜色のイルミネーションの遊歩道を楽しんでいただき、取り組みの思いをつなげていきたいです」と話していました。

イルミネーションの開幕を前に、目黒川の近くにあるカフェでは使用済みの食用油を提供するために準備していました。
この店では1週間におよそ40リットルの油を揚げ物などの調理に使っていて、ことしも開催期間中、油の提供を続けることにしています。
カフェで企画を担当する相島瑠南さんは「環境にやさしい地域づくりに役立ててもらいたいと8年前から使用済みの油を提供しています。訪れる人たちに取り組みへの理解を深めてもらい、きれいなイルミネーションで喜んでもらえたらうれしいです」と話していました。