東京都心 27.5度 11月の最高気温 100年ぶりに更新

関東甲信は暖かい空気が流れ込んで各地で夏日となり、東京の都心では昼すぎに気温が27.5度と11月としての最高気温を100年ぶりに更新するなど記録的な暑さとなりました。
8日以降は季節外れの暑さは和らぐと予想されています。

気象庁によりますと低気圧や前線に向かって暖かい空気が流れ込んだうえ、山を越えた風が吹き下ろす際に乾燥して気温が上昇する「フェーン現象」や晴れて日射しの影響も加わり、各地で気温が上昇しました。
日中の最高気温は、甲府市で28.4度、神奈川県小田原市と千葉県佐倉市で28.1度、茨城県龍ケ崎市で27.7度、東京の都心と千葉市で27.5度、横浜市で27.3度などと夏日となりました。
東京の都心では11月の最高気温を1923年以来、100年ぶりに更新したほか、佐倉市で26度、小田原市で27度を11月として観測史上初めて超えるなど、記録的な暑さとなりました。
また、東京の都心は6日も夏日となり11月に連続して夏日となるのは観測史上初めてです。
暖かい空気の流れ込みが弱まるため、8日以降暑さはやわらぐ見通しです。
また7日は低気圧の影響などで沿岸部を中心に風が強まり、横浜市で25.6メートル、東京・江戸川区で24.6メートル、千葉市で23.7メートルの最大瞬間風速を観測しました。
一方、伊豆諸島では7日夜遅くにかけて風が強く、注意が必要です。

東京の都心で夏日になるのは7日で143日目です。
初めて夏日になったのは3月24日。
3月としては10年ぶりのことでした。
その後、大型連休も夏日が続き、6月は大半が夏日。
30度以上の真夏日や35度以上の猛暑日も含め、1年のおよそ4割が夏日となりましたが東京の都心の夏日は7日で最後となる可能性があります。
気象庁によりますと7日夜以降気温は下がり、8日の最低気温は7日より5度から10度ほど低くなり、東京の都心や千葉市で15度、神奈川県小田原市で11度など予想されています。
金曜日ごろ、低気圧が通過するため、南から暖かく湿った空気が流れ込みいったん気温が上がる可能性がありますが、その後は上空に寒気が流れ込む見込みです。
来週月曜日以降、東京の都心では最高気温が15度前後、最低気温は10度以下になると見込まれています。
最高気温15度は、平年で11月下旬並み。
急に冬に近づきます。
温度変化が激しいため、体調管理にも注意してください。

11月に入っても気温が高い日が続いたため、紅葉の名所となっている都内の庭園では、葉っぱの色づきが例年より遅くなり、担当者は冷え込みを待っています。
東京・文京区の「小石川後楽園」は国の特別名勝に指定された広さ7ヘクタールの都立庭園で、池を取り巻くようにイロハモミジなど紅葉する樹木がおよそ900本植えられています。
先月下旬ごろから園内のイロハモミジやハゼノキなどが徐々に色づき始めたものの例年に比べ、色づきの進行が遅いということです。
去年11月7日に撮られた写真ではイロハモミジが真っ赤になっていますが、7日はまだ色づき始めの段階で気温が高い日が続いていることが原因だとみています。
天気が回復した午後、庭園を訪れた人のなかには半袖姿の人も見られました。
紅葉を見に訪れたという都内の60代の男性は「暖かいこともあって見に来るのがまだ早かったなと思いました。秋がなくてこのまま冬が来るのではないかと思ってしまいます」と話していました。
小石川後楽園サービスセンターの西山礼美センター長は「まだ紅葉はこれからの時期ではありますが色づきがゆっくりだと感じます。きれいに紅葉するには寒さが待たれる状況で、例年の見頃となる11月下旬ごろにはしっかり色づいてほしいです」と話していました。
日本気象協会によりますと、関東甲信では、今月上旬の気温がかなり高くなっていることから紅葉の色づきはおおむねゆっくり進んでいて、各地の見頃は例年より1週間ほど遅くなる見通しだということです。
すでに関東で見頃を迎えているのは、群馬県みなかみ町の「谷川岳ロープウェイ」で、東京の高尾山などでも、今月下旬には見頃を迎える見通しだとしています。