東京五輪・パラ選手村跡地「晴海フラッグ」 内部を初公開

東京オリンピックの選手村跡地のマンション群「晴海フラッグ」がこのほどほぼ完成し23日、賃貸部分の内部が報道陣に公開されました。

東京・中央区晴海の晴海フラッグは東京オリンピック・パラリンピックの選手村の跡地に建設が進められていた巨大なマンション群でこのほど建物がほぼ完成しました。
分譲と賃貸をあわせると5600戸余り、およそ1万2000人が住むことを想定していて、23日は賃貸マンション4棟の内部が報道陣に初めて公開されました。
賃貸マンションは分譲に比べるとコンパクトな部屋が多く、1487戸のうち、900戸近くは1LDKや1DKなど夫婦2人や乳幼児のいる世帯をターゲットにしています。
マンションの1階部分には5歳までの乳幼児を受け入れる定員204人の大規模な保育所が整備され、来年4月から保育を始めることにしています。
また、子育て世帯以外にも1人暮らしの若者を呼び込むため、キッチンやリビングが共用になっているシェアハウスも備えています。
このほか、高齢者向けに手すりなどがついた専用の住居も150戸余りつくられていて、常駐の看護師や介護士からのサービスを利用することができるなど、晴海フラッグ内での住み替えを促すくふうも取り入れています。
担当する三井不動産レジデンシャル主管の境隆晃さんは「年齢を重ねたら晴海フラッグ内で住み替えを行うなど、単身からシニアまで長く暮らせるようなまちにしていきたい」と話していました。
担当者によりますと、賃貸マンションは、中央区周辺の自治体に住む人からの問い合わせが多いということで、来年1月下旬から入居を開始し、春に分譲マンションを含む全体の街開きをすることにしています。
一方、いわば新しいまちをつくるという今回のプロジェクトにあわせて道路や商業施設などのインフラの整備が急ピッチで進められています。
中央区は、晴海フラッグの近くに来年4月から小学校と中学校を開校させる予定です。
ただ、区が去年4月に行った推計では、想定よりも子育て世帯の入居が多く、8年後の令和13年度に教室が足りなくなる可能性があることがわかりました。
このため、区は令和8年度に入居者の家族構成など状況を確認したうえで、新たに第二校舎をつくるかどうか検討することにしています。