空爆続くガザ地区 支援団体“世界の中でも最悪の状況”

ガザ地区で、20年にわたって現地の子どもたちの心のケアを続けてきた、神奈川県海老名市にあるNPO法人の代表は、「水も食料も薬も電気もとめられ、外に逃げることもできず、世界の中でも最悪の状況だ」と話しています。

海老名市のNPO法人「地球のステージ」は、20年前からガザ地区南部で、心に傷を負った子どもたちのケアにあたり、これまでに3000人を支援してきました。
代表で医師の桑山紀彦さんも頻繁に現地を訪れていて、2009年には、空爆のさなかに医療支援にあたったということです。
桑山さんは毎日現地のスタッフと連絡を取り合っていて、現地の動画や写真も送られてきています。
桑山さんによりますと、ガザ地区では水や食料、電気や医薬品もとめられている上、国境を越えて地区の外に逃げることもできない状況だということです。
住宅地も爆撃されていて、これまでのレベルをはるかに超えて、世界の中でも最悪の状況だとしています。
病院で爆発が起きたことについては、「病院に行けば安全だと普通は思います。人を助けるべきところが爆撃で破壊されている。病院が狙われるというのは戦争状態だと思います」と話しました。
桑山さんは「パレスチナの人たちも、イスラエルの一般の人たちも平和をすごく願っている。それを壊しているのは兵器を使って戦争をしている人たちだ」と話しました。
「地球のステージ」では、18日から現地への物資の支援や、心の支援にあてるための募金活動を始めたということです。
桑山さんは「一番の絶望は世界に見捨てられてしまうことだ。世界がこの出来事に関心を失わない限り、必ず戦争は終わるし、必ずもう1回普通の日々が戻ってくると信じていてほしい。パレスチナにも小さな子どもがいて、腰が曲がったおじいちゃんおばあちゃんが暮らしている。遠い世界のできごとかもしれないが、とにかく関心を持ち続けてほしい」と訴えていました。

ガザ地区で20年にわたって現地の子どもの心のケアを続けてきた、神奈川県海老名市のNPO法人「地球のステージ」には、現地のスタッフたちから、動画や写真が毎日届いています。
現地スタッフのモハマッド・マンスールさんが、ガザ地区南部のラファで撮影した動画には、エジプトとの境にある検問所の方向から煙が上がっている様子が写っています。
同じくラファで撮影した写真には、空爆でできたとみられる穴の周りに人々が集まっている様子や大きく壊れた建物のほか、現地では水が残りわずかになっていることから、多くの人たちがペットボトルの配給を受けるために集まっている様子も映っています。