都内 インフルエンザ患者数 前週上回る 6週連続で感染拡大

東京都では先月、インフルエンザの流行注意報が発表されていますが、今月1日までの1週間に報告された患者数は、前の週をさらに上回り、6週連続で感染拡大が続いています。

東京都感染症情報センターによりますと、今月1日までの1週間に報告された1医療機関あたりのインフルエンザの患者数は16.58人で、前の週の1.36倍に増えました。
一方、新型コロナウイルスの1医療機関あたりの患者数は7.08人と4週連続で減少しています。
こうしたなか、都内のクリニックではインフルエンザのワクチン接種を例年より前倒して始めるなど、対応に追われています。
定点あたりのインフルエンザの報告数が30人を超え、都内で最も多い中野区のクリニックでは、発熱などの症状を訴える患者には新型コロナとインフルエンザの両方の検査を行っています。
今月に入ってからはインフルエンザの患者が新型コロナの患者を上回っているということで、今週検査した32人のうち、インフルエンザが15人、新型コロナは9人でした。
インフルエンザの感染が例年より早く広がっていることから、このクリニックでは去年は10月末から始めたインフルエンザのワクチン接種を、今週から始めました。
いつもは11月に入ってから接種する人が多いということですが、ことしは早めの接種を希望する人が多く、6日も20人ほどが訪れていました。
60代の女性は「ことしはもう流行っているというので、いつもよりも早めに受けにきました。ちょっと安心です」と話していました。
「みやびハート&ケアクリニック」の渡邉雅貴院長は「この時期にインフルエンザのワクチン接種を多くの人が受けるというのは異例の事態ですが、これから寒くなってくると寒暖差で免疫も下がり、感染もしやすくなるので、さらに感染が広がる可能性がある。基本的な対策とあわせて早めのワクチン接種を勧めたい」と話していました。

東京都感染症情報センターによりますと、今月1日までの1週間に報告された1医療機関あたりのインフルエンザの患者数は、16.58人で、前の週(12.19人)の1.36倍に増えました。
保健所別では、中野区が最も多く、30.30人。
次いで、文京26.00人、荒川区23.14人、多摩府中23.03人、墨田区22.38人、台東22.14人、江戸川21.00人、目黒区20.25人、みなと19.67人、世田谷19.40人、多摩小平19.09人、八王子市18.78人、葛飾区18.62人、杉並17.88人、北区17.45人、江東区17.36人、練馬区17.00人、品川区15.55人、池袋13.75人、板橋区13.56人、町田市13.08人、足立11.50人、大田区11.33人、南多摩11.00人、多摩立川10.57人、新宿区9.58人、中央区8.80人、千代田8.00人、渋谷区7.00人、西多摩7.00人、島しょ1.50人の順となっています。

【インフルエンザについて】
感染症に詳しい東邦大学の舘田一博教授は、現在のインフルエンザの感染状況について「全国的にゆっくりではあるが増加傾向が続き、新型コロナ前はあり得なかったような季節外れの流行となっている。去年までの3年間は、新型コロナに対する感染対策を徹底してきた中で、インフルエンザの流行も抑えられていたが、感染者が少なかったことで免疫を持つ人が少なくなったことやこのところ感染対策の緩和が進んだこと、海外から多くの人が入国するようになったことなどで子どもたちの間で感染が広がっている。今のところ爆発的な規模の流行は起きていないが、このまま感染者が多い状況で冬の時期に入ると、急激に感染者数が増加するおそれもあり、注意が必要だ」と話していました。
【新型コロナについて】
また、新型コロナウイルスの現在の感染状況については「感染者の数は引き続き全国的な減少傾向が続いている。ただ、ウイルスはまだ市中に存在している状況だ。減少傾向がいつまで続くのか、来月以降、冬にさしかかる時期に、増加に転じることがないか、注意して見る必要がある」と話していました。
【今後の注意点】
そして、今後の注意点について舘田教授は「今月に入り、インフルエンザのワクチン接種が始まり、新型コロナも新しいタイプのワクチンが接種できるようになった。感染に不安がある人は早めに接種して欲しい。また、かぜのような症状があれば、インフルエンザやコロナに感染したかもしれないと考え、早めに医療機関を受診し、薬を処方してもらうことが重要だ」と話していました。
【薬不足】
咳止めなどの薬が不足していることについて、舘田教授は「新型コロナやインフルエンザなどの流行が続き、咳止めや解熱剤など、いわゆるかぜ薬が使われるケースが増えている。冬になると患者数がさらに増えると見込まれる中、このままだと薬の不足がより深刻になるおそれがある。患者に薬の服用を我慢してもらうわけにはいかないので、安定供給を維持できる体制を国が主導して整えていく必要がある」と話していました。