JR東日本 東海道線の電柱衝突事故“電柱内の鉄筋腐食原因”

ことし8月、神奈川県のJR東海道線で走行中の電車が線路脇の電柱に衝突した事故で、JR東日本は、電柱のひびから入った雨水で中の鉄筋が腐食して破断し、電柱が傾いたところに衝突したとする調査結果を明らかにしました。

ことし8月、神奈川県鎌倉市にあるJR東海道線の大船駅付近で、走行中の電車が線路脇の電柱に衝突し、乗客7人と運転士のあわせて8人が軽いけがをしました。
この事故について、JR東日本は5日、都内の本社で会見を開き、事故原因の調査結果を明らかにしました。
それによりますと、事故後電柱の中を調べたところ根元部分の鉄筋10本のうち4本が破断し、いずれも腐食が大幅に進んでいたことがわかったということです。
このため、腐食した鉄筋が破断したことで電柱が傾き、そこへ走ってきた電車が衝突したとみられるとしています。
鉄筋が腐食したのは、電柱に何らかの原因で荷重がかかって根元部分にひびが入り、架線からの引っ張られる力でひびが閉じない状態が続き、この部分から雨水が継続的に入ったためだとみられるとしています。
また、事故の15分前に現場を通過した電車の運転士は異常がなかったと話しているほか衝突した車両の傷などから事故直前には、電柱は23度傾いていたとみられることもわかったということです。
JR東日本は、事故後、今回と同じ種類の電柱、99本を調査し、ひび割れが見つかった2本の補強を行ったほか、残る97本も補強したうえで、順次、建て替えを進めるということです。