東京 お台場 新テーマパーク 屋内で没入体験 来年春開業へ

去年営業を終了した商業施設を再利用して、完全屋内型のテーマパークが来年の春、東京・お台場に開業することになりました。
来場客が物語の世界観に入り込むいわゆるイマーシブ=没入型の体験ができる新たな形のテーマパークだということです。

来年春に新たに開業するのは「イマーシブ・フォート東京」という完全屋内型のテーマパークで、去年3月に営業を終了した東京・お台場の商業施設「ヴィーナスフォート」の建物を再利用します。
コンセプトは「没入感」を意味する英語の「イマーシブ」で、設けられる12種類のアトラクションでは、来場客が物語の世界に入り込んだかのような体験ができるということです。
詳細は後日発表するということですが、中心は「イマーシブシアター」と呼ばれる体験型の演劇で、来場客は登場人物の1人として殺人事件の目撃者になったり、タイムスリップして一緒に劇を進めたりと、物語に巻き込まれながら客ごとに異なる非日常の没入体験ができるということです。
総面積はおよそ3万平方メートルで、飲食店や土産物店も入ることになっています。
大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンの業績立て直しで知られ、今回のテーマパークを企画したマーケティング会社CEOの森岡毅さんは東京・港区で記者会見し、「第三者として傍観する従来型のテーマパークをアップデートする新たな挑戦だ。ゲストが物語の当事者として参加できる『完全没入体験』を詰め込んだ世界初のテーマパークで、この『イマーシブエンターテインメント』を日本に定着させ、世界をリードしたい」と話していました。

テーマパークを企画したマーケティング会社「刀」はことし5月から先行して「イマーシブシアター」を取り入れたレストランを埼玉県所沢市の遊園地で開業しています。
食堂車を再現したこのレストランでは客が食事を楽しんでいる最中に列車の中で起きた殺人事件を解明するミステリー劇が始まります。
客は劇の登場人物から話しかけられたり、事件発生のあとは容疑をかけられたりします。
また物語の展開にあわせて、車窓の映像や照明もリアルに変化し、客は登場人物の1人として、事件に巻き込まれたかのような感覚を体験できます。
この「イマーシブシアター」は「刀」と「西武園ゆうえんち」が共同で制作したもので、ことし5月の開業以降、ほぼ満席の状態が続く人気ぶりだということです。