都内のスーパー 今月の食品値上げと猛暑の影響で野菜高く

都内のスーパーでは今月の食品の値上げに加え、猛暑の影響で一部の野菜は仕入れ値が大幅に上がっていて消費者の取り込みに難しい対応を迫られています。

東京・練馬区にあるスーパーでは今月値上げされるハムやソーセージといった「加工食品」、アイスやチョコレートなどの「菓子」が、2日の時点では先月までと同じ値段で販売されていました。
スーパーによりますと、これからクリスマスや年末年始が近づくなかでこれらの品目は需要が高まるとしながらも、順次値上げすることは避けられないとしています。
一方、この夏の猛暑の影響でトマトやネギ、ブロッコリーなど一部の野菜の仕入れ値が大幅に上がっていて、店頭での販売価格は去年の同じ時期の倍になっています。
買い物に来ていた40代の女性は「全体的に値段が高くなっていると感じます。値段は同じでも、内容量が減った加工品もあるので、献立や調理に工夫が必要です」と話していました。
スーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長は「これまでは野菜が高いときでもほかの商品の価格を抑えるなどしてバランスをとってきましたが、いまは正直そうした調整が難しい状況です。それでもお客さんの購買意欲を落とさないよう、なんとか努力していきたい」と話していました。

さまざまな食材を扱う弁当の製造・販売業者は値上げへの対応に苦心しています。
創業83年、東京・練馬区にある仕出し料理の専門店はコロナ禍をきっかけに3年前から持ち帰り用の弁当を作って店頭で販売しています。
食材の仕入れにかかる全体的なコストはことし4月に比べても1割ほど増えていますが、弁当の販売価格を据え置くための工夫に不断に取り組んでいるといいます。
例えば、1080円の「煮しめ弁当」は仕入れ値によって具材の野菜を替えるなどしつつ、全体の彩りや品質が損なわれることがないよう従業員による試食を重ねているということです。
しかし、コロナ禍の前に比べると利益は大幅に減ってきていて、これ以上仕入れのコストが増えれば、販売価格の値上げも検討せざるを得ないとしています。
仕出し料理店「魚伊三」の取締役、小美濃一喜さんは「販売開始以来、弁当の値上げは一部にとどめてきました。食材の値上がりは深刻ですが、引き続きよりよい商品を提供するために努めていくしかありません」と話していました。