縄文から江戸の人骨から体格や生活を知る展示会 東京大学

縄文時代から江戸時代にかけての人の骨から体格や当時の生活を知る展示会が東京大学で開かれています。

この展示会は遺跡から発掘された骨を通して日本列島に生きた祖先の姿を知ってもらおうと東京大学総合研究博物館が企画したもので、縄文時代から江戸時代の人骨などおよそ50点の資料が展示されています。
このうち愛知県田原市の縄文時代の遺跡「保美貝塚」で見つかった男性の腕の骨は、この時代のほかの人のものに加え弥生時代や古墳時代のものと比較しても極端に太く、頑丈な太い腕を持った集団がいたことが分かります。
この集団は舟をこいで遠くの海へ漁に出かけたり、石器の材料を運んだりして腕を使う機会が多かったために骨が太くなったのではないかとみられています。
また、江戸時代の頭骨を縄文時代のものと比べると、歯並びが悪いことが分かります。
これは江戸時代には、やわらかい食べ物をよくかまずに食べる生活習慣が一般的になったためあごの骨が成長せず小顔となり、歯が収まりきらなくなった結果歯並びが悪くなったと考えられるということです。
展示を企画した東京大学総合研究博物館の海部陽介教授は「骨をじっくり見ると祖先たちが自分たちから語ってくれるようになる。骨を通して彼らの生きざまや死生観などを感じとってほしい」と話していました。
この展示会は30日から来年2月22日まで東京・文京区の東京大学総合研究博物館で開かれています。