記録的大雨 千葉県内 「妙楽寺の森」など12の文化財に被害

今月8日の記録的な大雨では千葉県内のあわせて12の文化財が被害を受けたことがわかり、県の教育委員会は修復に向けた検討を進めることにしています。

千葉県教育委員会によりますと、今回の記録的な大雨では県の天然記念物に指定されている睦沢町の「妙楽寺の森」で100メートルほどにわたって土砂崩れが起きたほか、常緑樹が相次いで倒れました。
この森は「スダジイ」や「ウラジロガシ」などの常緑樹を中心に、貴重な自然が保たれています。
住職の須賀田徳円さんは「これまでにない災害で森の地形が一変して驚きました。再び楽しく安全な場所になればと願っていますが、規模が大きくてどうすればいいのか、今後を心配しています」と話していました。
このほか、古墳時代の終わりに作られたとされる国指定の史跡、長柄町の「長柄横穴群」で、斜面が2か所で崩れたほか、地質学上の一時代が「チバニアン」と名付けられるきっかけとなった国指定の天然記念物の市原市にある地層でも、周辺の土砂の一部が崩れ、現在、立ち入りが規制されています。
千葉県内で被害を受けた文化財はあわせて12にのぼり、県の教育委員会は「国や地元の自治体などと協議し、修復に向けて検討を急ぎたい」としています。