都内 新型コロナ 感染者4週ぶり減少も 秋の接種呼びかけ

東京都内の新型コロナの感染者数は、前の週の0.96倍と4週間ぶりに減少しました。
専門家は「感染者数は横ばい」としたうえで来週に秋からのワクチン接種が始まることから、高齢者などに早めの接種を呼びかけています。

14日、都庁で感染症の対策会議が開かれ、都内の新型コロナの感染者数が公表されました。
それによりますと、定点把握の対象になっている都内419の医療機関のうち、417か所から報告があり、今月10日までの1週間の感染者数は6824人で、1医療機関あたり16.36人でした。
これは前の週の17.01人の0.96倍で、4週間ぶりに減少しました。
また、今月11日時点での入院患者数は2353人で、前の週より429人減りました。
都は、今月20日から2か所の大規模接種会場で秋からのワクチン接種を始めることにしていて、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「感染者数は横ばいで、重症化リスクの高い高齢者などの感染拡大を警戒する必要があるので、特に高齢者や基礎疾患のある人は早めの接種が望ましい」と呼びかけました。
このほか会議では、来月以降の新型コロナの対応についても議論され、保健所などが行っていた入院調整をやめることや、妊婦などのための宿泊療養施設を閉鎖する方針が示されました。

東京都は、今月20日から都庁北展望室と千代田区にある三楽病院の2か所を大規模接種会場として秋からのワクチン接種を無料で始めます。
対象となるのは、初回の接種を完了した生後6か月以上のすべての人で、使用されるのはオミクロン株の一種で「XBB1.1.5」に対応したワクチンです。
都のゲノム解析の結果では、オミクロン株のうち、EG.5という変異ウイルスが増える傾向が続いていて、全体の39.8%となっています。
専門家は「EG.5は現在流行しているXBB株とよく似ていて、おそらくEG.5にもXBB対応ワクチンが効く可能性が高い。追加接種は感染予防に一定の効果があり、重症化予防にはさらに効果がある」としています。