新型コロナ 感染拡大傾向続く 高齢者施設や学校で影響広がる

全国的に新型コロナの感染拡大傾向が続くなか、東京都内では、60歳以上の人たちへの感染の広がりが目立っていて、デイサービスの現場にも影響が広がっています。

都内8か所でデイサービス事業を展開している会社では、お盆明けの先月20日から6日までに、利用者と従業員あわせて30人余りが新型コロナに感染しました。
デイサービスの現場では、5類に移行したあとも、マスクの着用などの対策を続けていますが、最近は外出の機会が増え、家族などから感染するケースも多いということです。
会社は、従業員の感染によって受け入れられない事態を防ぐため、基準より多い職員を事業所に配置しているものの、複数の職員が同時に休んでしまうこともあり、さらに感染が広がれば、一時的な休業も検討しています。
半年ほど前から毎日通っているという80代の女性は「みんなで歌ったり食事したりするのが毎日の楽しみなので、休みになってしまったら本当に困ります」と話していました。
会社は感染対策を強化しながらできる限りサービスを継続したいとしていて、事業を展開する「ウコウコヤオ」の木村講平取締役は「5類になっても、正直なにも変わっていません。高齢者が感染すると命に関わることもあり、コロナ前のように戻りたいという思いと、高齢者を守らなくてはいけないという思いの狭間で非常に悩んでいます」と話していました。

新型コロナが5類に移行してから初めてとなる夏休みが明けた都内の小学校では、感染者が複数確認されて学級閉鎖も相次いでいて、基本的な感染対策を引き続き徹底しています。
NHKが東京23区に聞いたところ、7日小中学校で学級閉鎖をしたのはあわせて60以上の学級にのぼるということです。
新型コロナだけでなくインフルエンザの感染も広がっているということです。
東京・江戸川区の葛西小学校では、今月1日に2学期が始まり、新型コロナで欠席する児童は初日は4人でしたが、7日は7人に増えたということです。
学校では換気や消毒といった基本的な対策のほか、給食の配膳の際には児童全員がマスクを着用して机を拭くなどしています。
2年生の児童は「体を冷やしたりせず、手洗いをきちんとしたいです」と話していました。
学校では今月以降に予定されている運動会や音楽会などの行事を実施できるように、感染が広がらないように注意していきたいとしています。
葛西小学校の内野雅晶統括校長は「新型コロナは5類になったので一定の対策をしながら通常の学校運営を目指しています。日々の出欠状況をみながらどういう対応が求められるか総合的に判断していきたい」と話していました。