バスケットボール男子 五輪出場権獲得 48年前の代表選手は

バスケットボール男子 五輪出場権獲得 48年前の代表選手は

バスケットボール男子で、前回、日本が自力でオリンピックへの出場権を獲得した1976年のモントリオール大会に出場し、その後は指導者や解説者として活躍した北原憲彦さん(68)に話を聞きました。

北原さんは今回のワールドカップでの日本代表の試合をすべてテレビで視聴したということです。
日本が48年ぶりに自力でオリンピックへの出場権を獲得したことについて、「やっぱりうれしいです。世界で十分活躍できるようになるのは時間の問題だとは思っていましたが、ちょっと予想より早かったです」と喜びの声を上げていました。
北原さんは明治大学在学中、日本が前回、自力で出場したモントリオールオリンピックで代表としてプレーしました。
不戦勝を除いた6試合すべて敗戦だったということで、「あのころは韓国に勝ち、アジアの予選を突破して、オリンピックに出ることが目標で価値のあることだった。オリンピックでは手も足も出なかった。体の大きさも身体能力もジャンプ力も技術もまったく違った」と振り返りました。
北原さんは、このままでは日本は世界に勝てないと思い、アメリカに留学して、アメリカのバスケットボールを学んだということです。
しかしその後、日本がオリンピックに再び出場することはなく、北原さんは引退後、女子の日本代表のヘッドコーチを務めるなど、指導者やNBAの解説者として活動しました。
北原さんは、今回の日本代表について「日本は背が低いですが、平面的に走ってディフェンスを頑張り、スリーポイントシュートを決める。トム・ホーバスヘッドコーチが短期間でよくここまでチームを作り上げたなと思います」と評価していました。
また、日本が快挙を成し遂げた背景については、「プロのバスケットボールリーグのBリーグができたことが大きい。実業団の時は、バスケだけで生活できる環境ではなかったので、選手のモチベーションもまったく変わったと思います」と話しました。
そして、来年のパリオリンピックについては「僕らのころはオリンピックに出るだけでOKという感じでしたが、今はどこまで通用するかというところまで来た。切り替えて準備するでしょうし、本当に期待しています」と語りました。

バスケットボール男子の日本代表が48年ぶりに自力でのオリンピック出場を決めるなど、ワールドカップで活躍したことを受け、東京都内のバスケットボール用品を扱う店を訪れたファンからは喜びの声が聞かれました。
東京・渋谷区でバスケットボール用品を扱う「GALLERY・2渋谷店」は、ワールドカップや日本代表のタオルやTシャツなどのグッズが販売されていて、日本代表の活躍を受け今も買い求める人がいるということです。
また、訪れた客のなかには、「久しぶりにバスケットボールをしたくなった」という人もいて、シューズやボールなどを購入しているということです。
友人と訪れた29歳の男性は「映画や漫画の影響もあって、最近、バスケを始めたばかりなのですが、日本代表の活躍をきっかけにもっと仲間に声をかけて、“草バスケ”で盛り上がっていきたいです」と話していました。
また、バスケットボール部だという高校1年の女子生徒は「選手たちがとてもかっこよかったです。試合があった次の日は学校でも話題になっていました。私ももっと練習してうまくなりたいと思いました」と話していました。
「GALLERY・2渋谷店」の挽野亮太さんは「予想外の売れ行きでうれしい悲鳴です。これがブームではなく、文化としてバスケットボールが根づいてくれるといいなと思います」と話していました。