新型コロナ 「5類」移行後も身近な暮らしに影響広がる

お盆休みを挟んで全国でも新型コロナウイルスの感染が拡大していて、東京や神奈川など首都圏でも先週の定点あたりの感染者数は5類に移行してから最多を更新しています。
こうしたなか、感染して仕事を休む人が増えることで身近なところにも影響が広がっています。

川崎市にある診療所「多摩ファミリークリニック」では、今月中旬ごろから患者が増えていて、一日当たり40人と先月の2倍近くの患者が訪れているということです。
30日も発熱などの症状を訴える患者が相次ぎ、検査した人の7割ほどが新型コロナに感染していました。
患者は幅広い年代に及んでいて、高齢者も増えているということですが、重症化する人はほとんどおらず、人数は多いものの、以前のような切迫感はないといいます。
「多摩ファミリークリニック」の大橋博樹院長は「数だけでいうと第8波と変わらない感じですが、うつりやすい風邪のような感覚で診察できるようになりました。ただ、かなり感染しやすいウイルスで、うちのクリニックでも今3人休んでいるんですが、会社を休む人が増えるなど社会活動への影響はでていると思います」と話していました。
感染の影響は、身近なところにも広がっています。
都内では今月、複数のバス会社で運転手の感染による人手不足で路線バスを一部、運休しています。
このうち、都内などで路線バスを運行する小田急バスではお盆休み明けから運転手の感染が相次ぎ、29日から一日あたり200本近くバスの本数を減らして対応しています。
31日も24人が欠勤したということです。
複数の路線でバスの本数を減らしているJR三鷹駅前のバス停では、当面臨時ダイヤで運行することを知らせる案内が貼られていて、バスを待っていた女性は「本数が減っていることは知りませんでした。感染がどこまで広がっているかわからないけどある程度は仕方ないと思います」と話していました。
このほかに、郵便局でも複数の職員の感染で休業を余儀なくされるケースがあるということです。
日本郵便によりますと、都内では今月に入って臨時休業する郵便局も出ていて、24日には10か所が休業したほか、31日も4か所が臨時休業しています。
「多摩ファミリークリニック」の大橋院長は「以前のようにみんながマスクをしたり、飲食を控えたりする必要はないと思いますが、熱があれば休んで様子をみたり、咳が出るならマスクをしたりするなど、感染してしまった人が他人にうつさないように気をつけることが大切だ」と話していました。