都議会政務活動費 資料購入や視察など政策立案への支出増加

東京都議会の各会派に交付された昨年度の政務活動費は、資料の購入のほか視察や研修などといった政策立案のための支出が前の年度よりおよそ30%増え、2100万円余りとなりました。

都議会議員の政務活動費は、議員1人当たり月額50万円が各会派に交付されていて、昨年度に交付された総額7億4500万円の使いみちなどについてまとめた報告書が31日、公開されました。
それによりますと、実際に使われたのは、90.9%にあたる6億7692万円で、使われなかった6808万円は都に返還されました。
支出では、広報紙の発行や事務職員の人件費などが合わせて6億5569万円と全体のおよそ97%を占めました。
また、政策立案のための費用は全体のおよそ3%にあたる2122万円にとどまったものの、前の年度より533万円、率にして、およそ30%増えました。
内訳をみると、資料購入などが20%余り増え1619万円、視察や研修がおよそ2.4倍に増え257万円などとなりました。
支出が適正か調べるため設置された有識者の協議会は、「都内や都外への視察が増えるなど、アフターコロナを見据えた政務活動が見て取れた。使途基準の趣旨を順守し、都民の理解と納得が得られるよう、その成果を分かりやすく説明してほしい」としています。

地方政治に詳しい法政大学大学院の白鳥浩教授は「政策立案費が増加傾向にあることは、一定の評価はできる」と指摘しました。
そのうえで、「経費の使い方について不信に思われないよう、どのように経費が使われ政策立案につながったのか、説明できることが重要だ。国会議員による海外研修をめぐって物議を醸したが、必要なものであれば委縮することなく視察や研修を行い、都民のために新たな政策を打ち出してほしい」と述べました。