滝山病院 “全体像の解明を” 弁護士が所沢市に申し入れ

看護師による入院患者への暴行事件が起きた東京・八王子市の精神科病院「滝山病院」をめぐり、埼玉県所沢市の職員らが、家族の同意を得ないまま市内に住む患者を入院させていたとして書類送検されたことについて、患者を支援する弁護士は市に対し、全体像の解明などを求める申し入れを行いました。

八王子市にある「滝山病院」では、入院患者を暴行したとして、看護師が逮捕されるなどしています。
この事件が明らかになる前の2018年に、所沢市の職員や元職員が市内に住む50代の男性を「滝山病院」に医療保護入院させた手続きをめぐり、男性の姉と「音信不通」としたうその文書を作成して家族の同意を得ないまま入院させたとして、虚偽公文書作成などの疑いで今月書類送検されました。
これを受けて男性を支援している相原啓介弁護士が24日、埼玉県庁で会見し、所沢市に対し申し入れを行ったことを明らかにしました。
申し入れでは市として全体像の解明に努めることや類似の行為がないかを調査し、原因や再発防止策とともに公表することなどを求めています。
相原弁護士は「医療保護入院制度の信頼が壊れてしまう本当に深刻な問題だ。市にはきちんとした調査をしてほしい」と述べました。

24日の申し入れについて所沢市は「手続きを踏んだ上での最善の対応だったと考えています。申し入れに対しての対応は検討中です」とコメントしています。
一方、警察の調べに対し書類送検された市の職員は「音信不通」という記載は認めたうえで、「姉と連絡がつかなかったことは本当だ」などと説明したということです。