高速炉実験施設「常陽」 再開めど1年半延期へ 茨城 大洗

国が実用化を目指す高速炉の実験施設で茨城県大洗町にある、「常陽」について、日本原子力研究開発機構は、運転再開に必要となる安全対策の工事に想定よりも時間がかかるため、再開の目標時期をこれまでより1年半ほど遅らせ2026年度の半ばとすると発表しました。

「常陽」は、原発の使用済み燃料から取り出したプルトニウムを再び燃料に使う高速炉を開発するための小型の実験炉で、先月、運転再開の前提となる原子力規制委員会の審査に合格しました。
原子力機構は、今後、地元の了解を得た上で安全対策工事を進め、来年度末までに運転を再開するとしていましたが、18日開いた会見で、再開の時期を1年半ほど遅らせて2026年度半ばとすると発表しました。
理由について原子力機構は、審査の過程で新たに安全対策工事の計画に加えた配管の耐震工事や施設内の電源ケーブルを燃えにくくする工事で資材を確保するのに時間がかかることなどをあげています。
日本原子力研究開発機構大洗研究所の関根隆部長は、「引き続き、火災対策をはじめとした安全対策をしっかりと行って地元の理解を得たうえで再開を目指したい」と話していました。