基準超のシアンたびたび検出 千葉県が日本製鉄に行政指導

千葉県にある日本製鉄の製鉄所から基準を超える毒物のシアンがたびたび検出されていた問題で、県は会社側が示した対策への評価をまとめ、「有害物質をできる限り外に出さないという考えが希薄だった」などとして行政指導を行いました。

「日本製鉄東日本製鉄所君津地区」では、去年までの4年間に、東京湾に面した排水口から基準を超える毒物のシアンがたびたび検出されていたのに、県に報告していなかったなど、相次いで問題が発覚しました。
千葉県は化学物質やコンプライアンスなどに詳しい専門家からの意見を踏まえて、会社側が提出した事故原因や対策に関する報告書への評価をまとめ、8日熊谷知事が日本製鉄に行政指導を行いました。
県の評価書のなかでは、問題が相次いだ原因としてずさんなリスク管理とコンプライアンス意識の欠如などがあったとし、「有害物質をできる限り外に出さないという考えが希薄だった」などと指摘しました。
そのうえで、「示された対策はおおむね評価できるが、計画的で適切な履行と、さらなる対策を求める」として、第三者部門による定期的な監査などを求めました。
東日本製鉄所の野見山裕治所長は「指導を重く受け止め、地域の皆様の信頼を取り戻せるようしっかりと再発防止策を進め、適切に対応してまいります」と述べました。
熊谷知事は行政指導のあと、「日本製鉄には、地域住民の健康や環境の保全について責務があることを再認識し、対策が形骸化しないよう取り組みを続けてほしい。県としても順守されるかチェックしていきたい」と述べました。