東京 東村山 2日で高齢男女4人死亡 熱中症の可能性も

東京・東村山市で29日から30日にかけて、高齢の男女あわせて4人が住宅の中で死亡しているのが見つかり、警視庁は発見当時、室内が高温だったことなどから熱中症の可能性もあるとみて、詳しい状況を調べています。

29日午後6時前、東村山市秋津町の住宅でこの家に住む91歳と84歳の夫婦が自宅の寝室で死亡しているのを訪れた介護職員が見つけ、110番通報しました。
警視庁によりますと、夫婦は2階の寝室のベッドの上で倒れていて、窓やドアは閉めきられた状態だったということです。
扇風機は回っていましたが、寝室に設置されたエアコンのスイッチは入っていませんでした。
また30日午後3時ごろには、東村山市青葉町の住宅でこの家に住む70代の男女とみられる2人が寝室のベッドの上で死亡しているのが見つかりました。
当時、扇風機がついていて窓も少し開いていましたが、エアコンは入っていなったということで、死後数日が経過しているとみられています。
警視庁はいずれも発見当時、室内が高温だったことなどから熱中症の可能性もあるとみて、詳しい状況を調べています。
東村山市の東側に位置する東京・練馬区は最高気温が30日が37.7度、29日が36.7度と今月24日以降、連日猛暑日が続いていました。

29日、高齢の夫婦が死亡しているのが見つかった住宅の近くに住む70代の女性は「デイサービスが週に2回ほど旦那さんを迎えに来ていて、暑さが厳しくなる前はよく家の前で奥さんと話をしていましたが、最近は姿を見かけませんでした。亡くなったと聞いて驚いています」と話していました。
また、別の80代の男性は「奥さんは『夫の世話が大変だ』と話していましたが、最近も元気そうな様子でした。亡くなったと聞いてまさかという思いです」と話していました。

30日、2人暮らしとみられる70代の男女2人が死亡しているのが見つかった住宅の近くに住む女性は「2人は自分の子どもにお菓子をくれるような優しい人たちでした。今月中旬に私の夫が2人に会った時はふだんと変わらない様子でした。2人が亡くなり、声の掛け合いが大切だと近所の人たちと話をしています」と話していました。
また、別の女性は「亡くなった女性は、数か月前まで飲食店で働いていました。周囲の人は2人で住んでいるから安心していましたが、亡くなったと聞き、ショックを受けています」と話していました。

東京都監察医務院によりますと、都内では今月に入って27日までに、熱中症の疑いで40代から90代の男女あわせて70人の死亡が確認されたということです。
このうち63人は屋内で倒れていて、クーラーの設置がなかったのが14人、クーラーは設置されていたものの動いていなかったのが38人、クーラーが動いていたのが10人、不明が1人となっています。
去年は7月の1か月間に93人の死亡が確認されていました。

東村山市ではことしの5月から6月にかけて75歳以上の単身世帯などにチラシを配布し、熱中症への注意を呼びかけていたということです。
また、去年からは、市役所や市の施設など30か所に暑さを避けて涼むことができる「涼みどころ」を設けているということです。
東村山市健康福祉部の津田潤次長は「熱中症による痛ましい事案が多くなっているので、高齢者などへの注意喚起に力を入れてきた。そのようななかで今回のような事案が起きてしまい、大変残念だ。二度と起きないよう、さらに対策を進めていきたい」と話していました。