物価高騰 夏の風物詩 花火も値上がり

物価の高騰は、夏の風物詩・花火にも及んでいます。
大正から100年以上続く東京・台東区の蔵前にある花火の卸問屋は、地面に置くタイプや手持ちタイプなどおよそ300種類を全国各地の小売店に卸したり、個人向けに販売したりしています。

行動制限のないことしの夏は、花火の需要が伸びて、メーカーの生産が追いつかないことに加え、花火の原料の火薬や紙、それに運送費や人件費の高騰を受けて仕入れ値が2割程度上がっているということです。
このため、販売価格も値上げせざるを得ませんでしたが花火を楽しみたいという客の気持ちに水を差したくないと国産の手持ち花火80本の詰め合わせセットは値段を据え置いたほか、国産の線香花火は値上げ幅を小幅にとどめたということです。
5歳の子どもと訪れた28歳の会社員の男性は「今夜、子どもの友だち家族で集まるので買いに来ました。花火はみんなで楽しむのが一番なので、値上げしたとしてもやりたい」と話していました。
また、友人と一緒に花火をするという26歳の会社員の男性は「思い出をつくるためなので金額は気にしない。友だちとワイワイ楽しんで夏の思い出にしたい」と話していました。
花火の卸問屋、「山縣商店」の竹下潤一さんは「こんなに値段が上がったのかとお客さんに言われなくないし、たくさんしてもらって『やっぱり花火は楽しいね』とお客さんに思ってもらいたい一心です」と話していました。
一方、花火の値上がりは、各地で開催される花火大会にも影響していて、来月12日の埼玉県熊谷市での大会では、スポンサー料を引き上げました。
また、11月に茨城県土浦市で行われる大会でも観覧席の料金を値上げしたということです。
花火の製造販売業者でつくる日本煙火協会によりますと、火薬の原材料の価格がウクライナ侵攻などの影響で上昇していることも、花火の価格が上がっている要因のひとつだということです。