「生成AI」学校での取り扱いは? 活用する高校の野球部も

生成AIの学校での取り扱いについて国は4日、グループ学習や英会話での活用が考えられるなどとする暫定的なガイドラインを公表しましたが、この春から部活動に生成AIから提案された練習メニューなどを取り入れている高校が都内にあります。
活用の効果など現状を取材しました。

東京・品川区にある私立の品川翔英中学校・高等学校では高校の野球部がことし4月から生成AIを活用し練習メニューなどの一部に取り入れています。
情報科の教諭、石田寛監督が効果的な練習などを目指して導入しました。
部員の人数や学校施設の状況など生成AIには基本的な情報を打ち込んでいて、毎朝、通勤の電車の中できょうの練習メニューが提案されてきます。
さらには打順を検討するため部員の打率などを打ち込み、実際の試合の参考にしているということです。
キャプテンを務める3年生の生徒は「生成AIの考えたメニューを監督が取捨選択して取り入れてくれるので安心して練習に打ち込むことができます」と話していました。
石田監督は「1人で練習メニューを考えていると凝り固まってしまうので生成AIの提案は参考になる。うまく取り入れてよいチームを作っていきたい」と話していました。

人工知能学会で副会長を務める慶應義塾大学の栗原聡教授は「生成AIを学校の部活動で活用する場合はスポーツ医学の専門家の意見を参考にするなど、生徒の心身の負担にならないか十分に検討する必要がある。学校の枠を超えて教員どうしが活用ノウハウを共有する場があればいいと思う」と話しています。
また「適切に質問すれば効率化に役立つ答えを返してしてくれるが、よい答えを引き出すには適切な質問ができるスキルとやりとりを重ねることが欠かせない」と指摘しています。
そして「生成AIは答えを教えてくれる玉手箱ではなく、あくまで道具にすぎない。生成AIの答えを参考にして最終的には『自分で責任を持って考え、決める』ことが求められる」と話していました。