「RSウイルス感染症」感染児増加で小児科病床がひっ迫 千葉

ウイルス性感染症の患者が各地で急増していますが、千葉市の中核病院では、「RSウイルス感染症」に感染した幼い子どもが症状が悪化して入院する事例が増え、小児科の病床がひっ迫した状態になっています。

「地域小児科センター」として、小児医療の中核的な役割を担う千葉市立海浜病院では、入院の受け入れを要請するクリニックや救急隊からの電話が鳴りやまない日々が続いています。
36ある小児科の病床稼働率は9割前後で、受け入れを断らざるを得ないこともあるということです。
病床がひっ迫しているのは、熱やせきなど、かぜのような症状が出る「RSウイルス感染症」に感染し、症状が悪化して入院する幼い子どもが急増しているためです。
家庭内や保育所などで感染が広がり、大人は症状が軽い一方、乳幼児が重症化するケースが目立つということです。
「RSウイルス感染症」による入院患者は、先月下旬から増え始め、今月は29日時点で41人まで急増しました。
このうち7割が2歳未満です。
今月入院した1歳の女の子は、肺炎を起こしていましたが、鼻から高濃度の酸素を投与するなどの処置を受け、少しずつ症状が改善しているということです。
千葉市立海浜病院小児科の多湖孟祐医師は「この数年、免疫を獲得する機会が失われていたが、新型コロナウイルスが5類に移行したことで人の活動範囲や接触の機会が増え、RSウイルスなどの流行につながっていると考えられる。マスクを常につけている必要はないが、例えば密な空間や、人混みに行くときはマスクをつけるなど、臨機応変に考えて基本的な予防策をとってほしい」と話しています。