東京23区の消費者物価指数 前年同月比3.2%上昇

東京23区の今月の消費者物価指数は速報値で、天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数が、去年の同じ月より3.2%上昇しました。
このうち、「生鮮食品を除く食料」は1976年6月以来、47年ぶりの高い水準です。

総務省によりますと、東京23区の生鮮商品を除いた消費者物価指数は、今月中旬時点の速報値で、2020年の平均を100として去年6月の101.6から104.8となり、3.2%の上昇となりました。
上昇率は先月の3.1%から0.1ポイント上がり、2か月ぶりに拡大しました。
このうち、「生鮮食品を除く食料」は去年の同じ月より8.9%上昇しました。
先月に続いて前の月から横ばいとなりましたが、1976年6月以来、47年ぶりの高い水準です。
具体的には「卵」は33.2%、「食料油」は21.5%、「炭酸飲料」は18.9%、外食の「ハンバーガー」は17%、「アイスクリーム」は12.5%それぞれ上昇しています。
このほか、「携帯電話機」は19.3%、「トイレットペーパー」は15.5%、「タクシー代」は14.4%上がっています。
一方、「電気代」や「都市ガス代」は政府による負担軽減策や足元の燃料価格が下がったことで上昇は抑えられています。
このうち「電気代」はマイナス10.9%とマイナス幅は先月より5.2ポイント縮小していて大手電力会社が今月から電気料金を値上げしたことが反映されたとしています。
総務省は政府の負担軽減策がなければ生鮮食品を除いた指数は4.2%程度の上昇になったと試算しています。
東京23区の指数は全国に先立って公表されるため先行指標として注目されています。
今月の全国の指数は来月21日に公表されます。

総務省によりますと、東京23区の今月の消費者物価指数は速報値で、生鮮食品とエネルギーを除いた指数が去年の同じ月より3.8%上昇しました。
先月の3.9%と比べて0.1ポイント下がりました。
上昇率が前の月を下回ったのは去年1月以来、1年5か月ぶりです。
これについて総務省は「全国旅行支援」で旅行代金の割り引きが行われていることが要因の一つだとしています。
さらに「ルームエアコン」では新製品の発売がことしは6月ではなく、4月に行われたことなどで上昇率が去年の同じ月と比べてマイナス3.5%となったことなども影響しているとしています。

食材の価格や人件費の上昇を受けて、東京・池袋のビアガーデンでは、コース料金を去年より5%から12%値上げして営業しています。
東京・池袋のビアガーデンでは、ことしの営業を4月下旬から始めました。
ことしは3つあるコースの料金を去年に比べて5%から12%、それぞれ値上げしていて、このうち一番人気だというバーベキューと飲み放題のコースは、大人ひとりあたり去年より600円、率にして12%高い税込み5500円で提供しています。
値上げは食材の価格や人件費の上昇によるもので、このうち仕入れコストはビールのほか牛肉、ラム肉などさまざまな食材や飲料の値上がりを受け、全体として去年に比べ10%ほど上昇しているということです。
一方、客足については天候による影響を大きく受けるものの、数十人規模の団体客の予約が入るなど順調だということです。
店を訪れた20代の会社員は「ビアガーデンは夏の風物詩なので、少しくらい価格が上がっても思い出を作りたい気持ちの方が強いです。値段はあまり気にしていません」と話していました。
「西武池袋本店天空のBBQテラス」の伊藤勇樹店長は「料金を値上げしてもぎりぎりの状況で、これ以上食材などの値段が上がると困るので心配しています。例年7月から8月中旬が客足のピークなので、たくさんの方に来て楽しんでほしいです」と話していました。