府中の知的障害者施設 元副理事長が約10年前から虐待か

東京・府中市で知的障害者の施設を運営する社会福祉法人の元副理事長が、およそ10年前から利用者を虐待していたなどとする調査報告書を法人の第三者委員会がまとめていたことがわかりました。

府中市などによりますと、市内にある社会福祉法人「清陽会」が運営する知的障害者の通所施設で、利用者への虐待を市が認定したことなどから、おととし、法人は第三者委員会を設置して調査を進めました。
去年3月、この調査の報告書がまとまり、この中で社会福祉法人の元副理事長がおよそ10年前から複数の利用者に対し、身体的虐待や心理的虐待を行っていたと確認されたということです。
また、府中市には、この法人について平成25年以降、虐待などに関する通報が寄せられていましたが、およそ7年後の令和2年まで虐待について認定できなかったとしています。
これについて府中市は、元副理事長が市の調査に応じなかったことや通報した人を保護する面から対応が進まなかったとしたうえで、「法人の内部の状況を詳しく確認するうえで、より迅速で踏み込んだ対応が必要だった」としています。
市は、今年度から法人に虐待防止に関する研修などを行うとともに、今後の状況を定期的に確認するとしています。
一方、法人によりますと、元副理事長は3年前に退任していて、第三者委員会の聞き取りに応じず、退任した後に法人に提出した文書では虐待について否定していたということです。
この社会福祉法人は「被害にあわれた利用者やご家族に大変申し訳なく思っていて、誠意を持って対応します」としています。