東京 世田谷区長 マイナンバーカードの対応“政府は不合理”

東京・世田谷区の保坂区長は、問題が相次いでいるマイナンバーカードへの対応で、岸田総理大臣が新型コロナ対応並みの臨戦態勢で地方自治体などと一丸となって取り組むよう対策本部の会合で求めたことについて「人為的なミスなどのために、自治体の資源を短期的に集中させることはどう考えても不合理だ」と述べました。

問題があとを絶たないマイナンバーカードをめぐり、政府は新たな対策本部を設け、21日の初会合で岸田総理大臣はデータやシステムの総点検などにあたって、「コロナ対応並みの臨戦態勢で政府、地方自治体、関係機関一丸となって全力を尽くしてほしい」と述べました。
これについて、世田谷区の保坂展人区長は会見で「目に見えないウイルスとの戦いに3年間、総力を挙げて取り組んだ。マイナンバーの不具合も、目に見えない人為的なミスやシステムのバグとの戦いなのかもしれないが、これに自治体の資源を短期的に集中させ、人海作戦で検証してくれというのは筋が違う。どう考えても不合理だ」と述べました。
また、今の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化する政府の方針については、「医療機関でも不具合が発見され、混乱が起きている。この事態を放置するべきではない。今の保険証の廃止は凍結し、従来の保険証も存続すべきだという意見だ」と述べました。