東京 豊島区 西武池袋本店 低層階に家電量販店案に懸念示す

デパートの西武池袋本店などを運営する「そごう・西武」の投資ファンドへの売却をめぐり、豊島区の高際区長は、西武池袋本店の低層階に家電量販店が入るフロア案が示されたことを明らかにしたうえで、「西武池袋本店が百貨店ではなくなった場合、池袋のまちのにぎわいにも大きな影響がある」として懸念を示しました。

セブン&アイ・ホールディングス傘下の「そごう・西武」はアメリカの投資ファンドに売却されることになっていて、家電量販店・ヨドバシカメラの持ち株会社がパートナーとなり、西武池袋本店などで家電量販店を展開する方針です。
22日の豊島区の定例会見で高際みゆき区長は、セブン&アイ・ホールディングスと、西武ホールディングス、投資ファンド、豊島区の4者が集まった初めての会合が開かれたことを明らかにしました。
会合では、セブン&アイ・ホールディングス側から、西武池袋本店の低層階の一部に家電量販店のヨドバシカメラが入るフロア案が示されたということです。
これについて、高際区長は「どのフロアに何が入ったらいいとか悪いとかは行政としては言えないし、分かりません」と述べました。
そのうえで、「文化を基軸にした街づくりを進めるうえで西武池袋本店があるというのは絶対条件だと思っている。西武池袋本店が百貨店ではなくなった場合、池袋のまちのにぎわいにも大きな影響がある」と述べ、懸念を示しました。
豊島区は、企業側から今後、どのような手順やスケジュールで進めていくのかについての説明が不十分だったとして区や住民に対しての丁寧な説明や対応を求めていきたいとしています。

経営不振が続くデパートの「そごう・西武」をめぐっては、親会社の「セブン&アイ・ホールディングス」が、去年11月、アメリカの投資ファンドに売却することを決めました。
当初、売却期限をことし2月としていましたが、これまでに2度延期され、売却の時期は未定となっています。
家電量販店・ヨドバシカメラの持ち株会社がパートナーとなり、旗艦店である東京・豊島区の西武池袋本店など一部の店舗を取得して家電量販店を展開する方針です。
これについて去年12月、豊島区の高野之夫前区長が「西武池袋本店は池袋の顔でありまちの玄関だ。ヨドバシカメラの参入は池袋のさらなる家電量販店の激化につながり、今まで築き上げてきた文化のまちの土壌が喪失してしまう。家電量販店が低層部に入るのは反対だ」として百貨店としての存続を訴えていましたが、ことし2月に肺炎のため亡くなりました。
その後、高野前区長の後継として、高際みゆき氏が区長選挙で当選し4月に就任したあと、今回の問題について、関係する企業が集まった形での会合の開催を要望していました。

「そごう・西武」の投資ファンドへの売却をめぐって東京・豊島区の高際区長が会見で、西武池袋本店の低層階に家電量販店が入るフロア案が示されたことなどを明らかにしたことについて、そごう・西武の親会社のセブン&アイ・ホールディングスは「合意形成に向けて協議中であり、詳細についてはコメントを差し控えさせていただきます」としています。