五輪汚職事件 KADOKAWA元担当室長に有罪判決

五輪汚職事件 KADOKAWA元担当室長に有罪判決

東京オリンピック・パラリンピック大会をめぐる汚職事件で、大会のスポンサー選定で便宜を受けたことへの謝礼などとして、組織委員会の元理事側におよそ6900万円の賄賂を渡した罪に問われた出版大手KADOKAWAの元担当室長に対し、東京地方裁判所は懲役2年、執行猶予3年の判決を言い渡しました。

出版大手KADOKAWAで東京大会の担当室長だった馬庭教二被告(63)は大会のスポンサー選定に関して便宜を図ってもらう見返りとして組織委員会の元理事、高橋治之被告(79)に対し元理事の知人を通じておよそ6900万円の賄賂を渡した罪に問われました。
15日の判決で東京地方裁判所の中尾佳久裁判長は「支払いが贈賄にあたる可能性が高いことを十分認識しながら、会社を東京大会の協賛企業にすることで大きなビジネスチャンスを得たいという利己的な動機で高額な賄賂を渡した。実務担当の責任者として、犯行で重要な役割を果たした」と指摘しました。
一方で、ともに起訴されている角川歴彦元会長の意向に従う従属的な立場だったなどとして、懲役2年、執行猶予3年を言い渡しました。
判決のあと裁判長は「責任を自覚してほしいが、あなたが何十年もの間培ってきた出版の経験や知識を否定するものではありません。それらを生かして生活していってほしい」と語りかけました。