羽田空港 誘導路で旅客機どうしが接触 乗客乗員にけがなし

羽田空港 誘導路で旅客機どうしが接触 乗客乗員にけがなし

10日午前、羽田空港の誘導路で旅客機どうしが接触し、それぞれの機体の翼の一部が損傷しました。
乗客乗員にけがはないということで、国土交通省などが詳しい状況を確認しています。

国土交通省や航空会社などによりますと、10日午前11時ごろ羽田空港の誘導路で、停止していた台湾のエバー航空の旅客機とその後方を通過したタイ航空の旅客機が接触しました。
このうちエバー航空は水平尾翼の一部が、タイ航空は主翼の先端部分が損傷したということです。
エバー航空の旅客機には乗客乗員あわせて207人が、タイ航空の旅客機には264人がそれぞれ乗っていましたが、けがはないということです。
国土交通省などが、当時の詳しい状況の確認を進めています。
NHKのカメラの映像では、午前11時ごろ停止していたエバー航空の旅客機の後方をタイ航空の旅客機が通過したあと停止する様子が確認でき、午前11時40分ごろには、空港事務所の職員が誘導路上に落ちていた機体の一部を両手で持ち上げ、運んでいく様子が確認できます。
2機の乗客は、午後1時半すぎから順次、バスでターミナルビルに移動しました。
羽田空港ではこの影響で4本ある滑走路のうち1本が午後1時ごろまでおよそ2時間閉鎖され、全日空と日本航空によりますと、羽田空港を発着する便の一部で30分から2時間ほどの遅れが出ているということで、ホームページなどで最新の情報を確認するよう呼びかけています。

エバー航空の旅客機の乗客が機内から撮影した動画には緊急車両2台が航空機の近くに止まっている様子が確認できます。
撮影した乗客は「滑走路内で衝突音があり驚いたが、ほかの乗客は焦る様子はなく、大きな混乱はありませんでした。衝突が起きてから15分ほどたったところで接触が起きて整備が必要なため、駐機場に戻るまで待機をお願いする機内アナウンスが流れました.今回は友達に会いに渡航する予定でしたがキャンセルとなり、つらいですが、しかたないです」。
と話していました。

エバー航空の旅客機の乗客で、孫と一緒に台湾に向かう予定だった60代の女性は「突然、ドンという聞いたことのない音がして、飛行機が止まりました。衝撃はありませんでした。まわりはみんな静かで、特に騒ぎなどは起きていませんでした。早く台湾に行きたいです」と話していました。

エバー航空の旅客機に乗っていた61歳の男性は、妻と2泊3日で台湾に旅行に向かう予定だということで、「機体が滑走路に入る前に『ゴン』という、ふだん飛行機に乗っている時に聞かない音がしたのと、少し衝撃を感じました。窓の外を見てみると隣に止まっていたタイ航空の機体の翼の一部が破損していたので、ぶつかったのだとわかりました。びっくりしましたし、旅行の時間が短くなってしまうので困ります」と話していました。

タイ航空の旅客機の乗客の女性は「ずっと飛行機が飛ばず、アナウンスもなかったので、ネットで事故を知りました。たくさん飛んでいる飛行機の中で、なぜこの飛行機が事故に、という気持ちです。機内では今後の案内も何もなく、かなり残念です」と話していました。

台湾のエバー航空はNHKの取材に対し「エバー航空の旅客機が管制塔の指示に基づき誘導路で待機していたときに、機体の後方にある水平尾翼とタイ航空の旅客機の翼の先端部分が接触した。詳しい原因は関係当局がさらに調査を行っている」としています。
エバー航空の旅客機は10日午前10時50分に羽田空港を離陸し、台湾の台北に向かう予定だったということで、乗客194人、乗員13人のあわせて207人が乗っていましたが、けが人はいないということです。

タイ航空は10日、コメントを発表し「バンコクへ向かうタイ航空の旅客機が誘導路で離陸の準備中に、機体の主翼が停止していたエバー航空の旅客機の後部と接触した。この接触で主翼の先端部分が損傷し、運航が出来なくなった。乗客と乗員にケガはない」としています。
その上で近日中に詳細な情報を報告する考えを明らかにしました。