大雨 住民“過去の経験が参考にならず常に心配” 埼玉 越谷

3日までの大雨で関東各地で浸水などの被害が出ているなか、24時間雨量が観測史上最多となった埼玉県越谷市の住民からは「気象状況が変化し過去の経験が参考にならないので常に心配している」といった声が聞かれました。

埼玉県越谷市は24時間雨量で観測史上最多となる260.5ミリを観測し、床上浸水が500件、床下浸水が2400件にのぼるとみられています。
浸水の被害が出た越谷市の弥栄町2丁目自治会で会長を務める臼倉誉治さんの自宅も床下浸水したほか、近所では床上まで浸水した住宅もあったため5日午前、畳を運び出す作業を手伝ったということです。
臼倉さんによりますとこの地域で雨が降り始めたのは今月2日の昼すぎで午後3時ごろには一部の道路が冠水していたということですが、いったんひいたため安心していたといいます。
しかし夕方ごろから再び雨が強まってきたため臼倉さんは浸水を警戒し、車を高台に移動させるなどの対応をとりました。
その後も雨は降ったりやんだりを繰り返し午後10時ごろには地域の住民から「水が道路にあふれ出し心配だ」といった連絡が入っていたということです。
一方、午前1時ごろ、就寝するときには臼倉さんの自宅では浸水の被害は確認できなかったということですが、早朝に確認すると床下浸水していたということです。
市によりますと市内の過去の浸水被害では、総雨量200ミリ、または1時間あたりの最大雨量が50ミリを超えると内水氾濫が発生しているということです。
臼倉さんは「このあたりは内水氾濫でじわじわと浸水することが多い地域です。線状降水帯がかかっていたので早く通り過ぎてほしいと気象情報をこまめに確認していました。気象状況はこれまでと違い過去の経験が参考にならないので常に心配しています」と話していました。
こうしたなか、自治会では住民に災害への意識を高めてもらおうと地域の災害リスクや過去に浸水した際の情報などを掲載した「防災ガイド」を全戸に配布しています。
臼倉さんは「市内の中でもこの地域は低いところに位置し水害リスクのある地域とされています。防災意識は高いほうだと思うがいま一度災害への危機意識を住民全体に植え付けて、いかないといけない」と話していました。