「マイナ健康保険証」別の人の情報ひも付け 少なくとも37件

マイナンバーカードと一体化した健康保険証について、医療従事者でつくる団体が調査したところ、別の人の情報がひも付けられていたケースが少なくとも37件確認されたことがわかりました。

医師や歯科医師でつくる団体「全国保険医団体連合会」はマイナンバーカードと一体化した健康保険証について今月、全国の保険医協会などを通じて調査を行い、27都道府県の2800余りの医療機関から回答を得ました。
このうち、別の人の情報がひも付けられていたケースが少なくとも37件確認され、本人の情報のほかに、氏名や生年月日が異なる2人分の情報が表示されたケースもあったということです。
このほか、システムの運用を開始した医療機関のうち6割近くが「何らかのトラブルがあった」と回答し、具体的には、被保険者情報が正しく反映されなかったり、読み取り機やパソコン、カードの不具合で読み取りできなかったなどのケースが多かったということです。
また、情報を確認できなかったため患者から窓口で費用の全額を徴収したケースもあったということです。
団体の住江憲勇会長は「情報が他人に流出すると個人の特定も可能になるなど重大な問題で、いったん運用を中止してチェックを行うべきだ」と話しています。
一連の問題を受けて厚生労働省は、健康保険の組合に対し、ルールどおりに入力していたか点検し、7月末までに報告するよう要請しています。